大統領令、語らぬ安倍
「自由や民主主義」について語る資格なし

 トランプの入国禁止措置の大統領令に対し、抗議や反対の声が広がっているが、日本の安倍首相は、「コメントする立場にない」と繰り返している。10日の首脳会談を配慮してのこととも言われるが、独仏を始め各国の首脳は明快な意思表示をしており、こんなトランプの暴言・暴挙を批判しないような首相は、それだけで「民主国家」としての首相失格だ。

 トランプが、イラク難民や中央・アフリカ諸国の移民の入国を禁止するという場合、そのすべてがイスラク教諸国であり、イスラム教を排除するという露骨な宗教差別、民族差別である。そして大統領令に反対した司法副長官をすぐに首にし、国務省の数百人の職員から反対署名が集まると、従わない者は去れと恫喝する。まさに、民主主義を否定する暴君、独裁者であり、その先はフシズム的な的な専制体制でしかない。

 安倍はこれまで、盛んに日米は、「自由と民主主義」の共通の価値観を持つと吹聴してきた、ならば断固としてトランプの排外主義的で強権的な暴挙を糾弾すべきであろう。そして、「信頼できる指導者」と持ち上げてきたことを反省し、撤回すべきであろう。

 10日の首脳会談への影響を心配したというのか。
 だが、安倍が今回「沈黙」を守り、蛮行を大目に見たからと言って、それで会談で譲歩するほど、トランプは〝甘く〟ないだろう。むしろ、安倍の軟弱な姿勢、足元を見て、一層厳しい要求を突き付けて来るかもしれないのだ。

 また安倍は、日本はこれまで他国の難民・移民についての国境政策に口をはさむことはなかったとも弁解している。これもおかしい。口をはさめなかったのである。というのは、日本が移民や難民に極めて消極的だったからで、移民・難民について国際的に大きな顔をして語ることはできなかったにすぎない。そんな都合の悪いことは恥ずかしくて口にできない、ということだ。
 そしてこれまでの移民・難民政策を弁護しようというのであれば、それはトランプの入国拒否政策と同じということであり(安倍も民主主義を否定する国家主義、排外主義者ということ)、トランプを支持してやればいいだろうが、それだけの度量も断固たる決意も安倍にはないということであろう。

 こんな安倍を首相に抱く日本は、国際的的には恥ずかしい国であり、「地球を俯瞰する外交」など言ってほしくない。いずれにせよ、安倍には「自由と民主主義」を語る資格はない。