資本論を読む会』に参加された方の感想を紹介します。

 私は今から10年位前の「資本論ブーム」で解説書が多く出版されたとき、前々から「一度は読んでみたい」と思っていたこの難物に自分なりに取り組んでみました。その時は当時出版された的場昭弘著『超訳資本論』(祥伝社新書)をまず読んで、その後、不破哲三著『「資本論」全三部作を読む』(新日本出版社)を読みながら、『資本論』の該当箇所を読むといった作業でした。おおまかな流れ、というか大要は何となく掴めましたが、特に第1章などは何を言っているのかまったく理解できませんでした。


 その後、驚異的な読書量で有名な佐藤優の著作でしばしば『資本論』が取り上げられているのに接し、改めてこの難物に取り組みたいと思いました。その佐藤氏の本の中で資本論の読書会をそのまま文章に起こしたものがあります(『いま生きる「資本論」』(新潮文庫)、『いま生きる階級論』(新潮社)、 鎌倉孝夫との共著『21世紀に「資本論」をどう生かすか』(金曜日))。それを読んだとき「もしかして大阪でもこういう会があるかも」と思いネットで検索したのが当会を知ったきっかけです。


 こういった読書会というのは初めて参加しましたが、とにかく皆さんの議論の濃密さにびっくりしたというのが第一印象です。佐藤優は上掲の『21世紀・・・』で「この講座は一般募集の講座ですが、私よりももっと『資本論』読みの人が顔を見るだけでこの中に10人はいます」と書いていますが(15ページ)、もし本会に参加されても同じような感想を持たれるのではないでしょうか?不破哲三の『三部作を読む』よりよほど深い議論だと思いました。


 最後まで到達するのにあと何十年かかるのでしょうか?()

 しかし、ひとつひとつの文章にさまざまな角度から検討が加えられるので、初心者の私にも議論が終わると文章の背後にあるロジックがうっすらと見えてくるような気がします。

 キリスト者でもある佐藤優は『21世紀・・・』の冒頭でイエス・キリストの次のような言葉を紹介しています。


 「真理はあなたたちを自由にする」(「ヨハネによる福音書」832)

 私はキリスト者でもなければマルクス主義者でもないですが、『資本論』を読み、この資本主義社会の仕組みを知ることが精神の自由に繋がるのではと理解しています。

 そのために、いまはついて行くのがやっとですが、私もいつかはみなさんのような「資本論読み」になることを目標に、毎月の読書会に参加したいと思います。

的場や不破の解説では「理解できなかった」が、資本論を読む会』に参加して、文章の背後にあるロジックがうっすらと見えてくるような」学習会だったという感想でした。
資本論』の学習会は全国で行われています。『資本論』を学びたい方は、ぜひご参加ください。案内は下記サイトをご覧ください。
http://wpll-j.org/japan/study/gaku_ken.html『資本論』学習会