安倍の巣ごもり
――権力の維持こそ全て
未曾有の洪水被害とコロナの感染拡大を受けて、野党が臨時国会を要求しているが、安倍はもう1ヶ月以上国民
の前に姿を見せず、巣ごもりを決め込んでいる。自分にとって有利だと思う時は、のこのこ出てくるが、不利だ 批判にさらされ、支持率が下がると思うとひっこむ。
この男は、権力の維持がまず第一で、感染者が全国で急増しようが、「 Go To キャンペーン」が感染を全国に広げようが、首相としての責任や舵取りは二の 次なのだ。まさか、慰安婦像の前で土下座する男があまりにも自分に似ていて(笑)ショックを受けたわけではないだろうが、巣ごもりの本当の理由は、「打つ手がない」「お手上げだ」ということだろう。
資本主義の下では、感染防止と経済活動との両立には大きな矛盾があると言うことだ。片方を強めれば片方が弱まり、その逆もまたそうである。経済活動が私的資本によって個々バラバラに営まれ、私的利潤によって個々が成り立っている限り、「自粛要請」すれば生産や売り上げが減少し、利潤が低下すれば、今日は飲食業、明日は観光業と個々への資本への補償が付きまとい、強いては資本の弱体化が進む。だから、どちらも徹底することができず、小池都知事のように「感染しない、感染させない」「特別警戒警報」などとマスコミを通じて、都民に哀願したり、脅したりするしか打つ手がない
のである。ワクチンや治療薬が出来るまで、この両天秤は続くであろう。たとえ薬が開発されたとしても、また新たなウイルスが蔓延すれば同じことが歴史的に繰り返される。
とは言え、感染の拡大防止に緊急に必要なことは、①政府から完全に独立した専門会議の下での長期防止対策の策定(オリンピックは中止) ②迅速な大胆な規制措置 ③全て無料の大規模なPCR検査の実施(一日2万件以上) ④ 隔離施設(最低10万人) の確保と全ての感染者の隔離(入院、無料) ⑤医療体制の充実と医療関連物資の確保 ⑥感染者およびその家族と失業者の救済
・生活保障といったことか。
しかし、安倍政権の下ではその一つも実現しないだろう。現専門分科会は政府の言いなり、その補完物であるし、なにせ「アベノマスク」を300億円もかけてまだ配ろうとしたり、否定されたはずの「 37 ,5度発熱4日以上、濃厚接触者」という基準で、保健所が相変わらず PCR検査を拒否したり、自主検査は保険が効かず3万2千円もしたり、行き場のない感染
者の自宅待機者が東京だけでも何百人もいたりと、全くどうしようもない状態だ。こんなことは安倍のリーダーシップですぐにでも改善できるだろうに、一向に指を 動かそうとしない。
来年にはオリンピックを開催して来9月まではとにかく権力を維持したい、それまでは大きなミスを犯して(既に犯しているのであるが)さらに支持率を下げ、国民の大きな批判の的
にならぬようにというのが本音であろう。コバンザメのような安倍の取り巻き 連中も(麻生、管、二階、西村ら)その地位保全のために同調するのである。こんな死に体の安倍政権に、怒りを持って糾弾の声を上げよう。
(是)