労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

2022年03月

プーチンだけが悪者か?

神奈川で『資本論』学習会を行っている「横浜労働者くらぶ」の会報で、「プーチンだけが悪者か?」と論じられています。「労働者くらぶ 第15 号」から紹介します。

 

プーチンだけが悪者か?


ブルジョア世論は、プーチンが核兵器の使用をほのめかし、実際にザポリージャ原発を攻撃したことから、核兵器使用が現実になったと大騒ぎである。「プーチンは狂った」「プーチンの性格は常軌を逸している」等々、ウクライナ侵攻や原発攻撃の責任をプーチン個人に帰せようとしているのだ。

 

しかしプーチンが核兵器の使用をチラつかせ始めたのは今回が初めてではない。すでにクリミア侵攻の時から核の準備に言及していた。そもそも大国が、なぜ核兵器を保有するかといえば、核の抑止力によって相手の戦意をくじき、力関係で優位に立つためである。核の抑止力は、核使用の可能性があるからこそ威力がある。プーチンのウクライナ侵略によって、それが現実味を帯びてきたというに過ぎない。

 

プーチンの核使用の言及は、彼が追い詰められてきた結果である。ロシアに限らず、欧米や中国などの核大国も窮地に陥れば核使用は現実のものとなる。これは指導者の性格の問題ではない。バイデンにしても習近平にしても、追い詰められればプーチンと同じ行動をとるだろう。これら指導者は帝国主義の人格化である。仮に、彼らではなく他の人間が指導者であっても同じである。

 

核兵器の威嚇を、プーチン個人の性格や資質に帰せようとするのは、ウクライナ侵攻の本質を隠蔽するものである。ブルジョアマスコミは、連日のようにウクライナの惨状を報じて、あたかもプーチンやロシアだけを悪者に仕立てている。問題は、この世界を大小の帝国主義国家が牛耳っていることである。ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナを盾にした欧米の帝国主義(ウクライナに多大の武器援助をしている)とロシアの帝国主義の覇権争いであり、どちらが悪いと言った問題ではない(両方とも悪党だ)。

 

ブルジョア国家同士の争いに決まって登場してくるのは、民族主義や国家主義の愛国イデオロギーである。日本でもここぞとばかりに安倍や高市などの国家主義者がしゃしゃり出てきて、米国との核兵器の共同使用を主張し始めた。ブルジョア支配がなくならない限り、世界から戦争をなくすことはできない。労働者は、プーチンの侵略と果敢に戦っているウクライナ人民と連帯すると同時に、自国のブルジョア支配の打倒のために立ち上がらなければならない。 (K)

沈む時代 ――教育荒廃の現場から

『資本論』学習会に参加している仲間からの投稿を紹介します。

 

沈む時代

教育荒廃の現場から

 

「O先生、出口をふさいで!」 同僚はひきつった表情で怒鳴りながら、私にそう言った。パニックを起こしたような戸惑った表情で逃げようとする女子生徒。その生徒は遅刻が多いという理由で大量の反省文を書かされ、連日大きな罵声を何時間も(時には夜の7時以降まで)浴びせられながら指導を受けていた。

 

明らかにその生徒はなぜ怒鳴られているのかを理解できておらず、激昂する教師を前にパニックを起こして逃げようとし、同僚は退路を塞ぐように私に要求している。私は収容所の看守となっている自分達を発見した。数分の遅刻により何時間も居残り指導を受けていたその生徒は長時間の指導の果てに2階の職員室から飛び降りようとさえした。

 

大阪維新の会が政治の実権を握る大阪府では、人事評価を給与に反映させる制度が施行されている。

 

相対評価により上位5%の「優秀」職員は給与1.183倍にアップし、下位5%の「良好でない」職員は給与が0.835倍にダウンする。そのための参考として教員自身の評価シート「自己申告シート」に数値目標を記入することが求められる。

 

教育の具体的数値目標は、例えば多くの生徒が大学の一般入試を経験する進学校ならば進学実績の上昇を目標とするだろう。しかし、貧困や生活不安と隣り合わせの暮らしで、経済的な理由により進学は望めず、なんとか学校に行くことで精いっぱいという生徒が多い大阪府南部の多くの公立高校では、「遅刻欠席の数が一桁になるよう努力する」や、「ルールを守るよう心がけるというアンケートの項目の肯定的回答割合を90%以上にする」といったようなことが教員の具体的数値目標となる。

 

そこで各教員は学校で「遅刻は3回で反省文と振り返り」といった統一的ルールで指導にあたるが、生徒はパニック障がいや高機能自閉症、発達障がいなど支援が必要な場合が多く、明らかにそうした統一的ルールにはそぐわない。そうなると「何時間も怒声をあびせて反省文を書かせるということが生徒にとって必要な支援である。」と誤解する教員が多くなり前述のような光景が繰り広げられる。

 

そのほかにも、指定された通学路を通らなかった、体育祭の恒例行事に日本体育大学伝統の体操をしなければならないことに疑問を述べた…などなど些細な理由でも長時間にわたる指導を行わなければならず、私を含み教員は毎日生活指導に膨大な時間を割き、職員室はいつも生徒を叱責する怒号が鳴り響いていた。

 

こまごまとしたマニュアル的なルールに基づき、反省文を手に脅迫的な態度で指導する。こうした脅迫的な指導は生徒の心を閉ざし、見せかけの従順さを強制する。そして教員の心までも蝕んでいく。こうした指導に真面目に取り組んでいた同僚はある日、職場に出勤しようとすると突然足が動かなくなった。私がその府立高校に在籍していた短い間に、一人の若い同僚は退職し、一人は心を病んだ。

 

マルクス『資本論』第1部第5篇第14章に「学校教師が生産的労働者であるのは、彼がただ子供の頭に労働を加えるだけでなく企業家を富ませるための労働に自分自身をこき使う場合である。」という言葉があった。社会の再生産機構としての教育は社会や政治の影響を受けやすい。安倍政権の諮問機関として教育再生会議が作られて以降、その傾向が特に強くなった。

 

教育再生会議にはブラック企業として名高いワタミの渡邉美樹社長が名を連ねていたことは記憶に新しい。上記のような、定められたルールの妥当性に疑問を持たず教員の成果のために子どもの消耗を強いる教育ほど、資本家にとって都合の良いものはないだろう。

 

令和4年度のGDPは過去最高というニュースがある一方で、日本人の実質賃金は下がり続け、格差の広がりはとどまるところを知らない。文科省は今、「教育の市場化」を進めつつある。資本の教育支配がかつてないほど進んでいる昨今、教師が自分の仕事に求められていることに無批判であることは、権力の内面的強化に無自覚に加担していることに他ならない。

 

『資本論』を読み進めてゆくと、重商主義者や古典経済学者が労働と価値及び貨幣の関係を正しくとらえていないという批判が繰り返し述べられている。労働こそ実体であり、交換される価値や貨幣は形態である、労賃という形態が剰余労働の搾取を覆い隠している、そしてその剰余労働の搾取によって資本主義的生産様式は成り立っている、とマルクスは指摘する。

 

働けば働くほど貧しくなるという労働と資本との倒錯したあり方を鋭く指摘する『資本論』の論理性は、まるで天動説から地動説への転換のようだ。日経新聞までもが資本主義の危機を唱えているこの時代に、旧態依然とした資本のための教育が低所得世帯も多い公教育の現場で行われている現状で、子供に「頑張ればなんとかなる」と叱咤激励することは、沈みゆく船の乗組員に持ち場を離れず頑張ることを強制するようなものだ。

 

乗り込んだ船が沈みゆきつつある舟であることを知るためには、船と外界の関係を正しく把握しなければならない。資本主義的生産様式という外界に我々の職場や学校その他が沈みつつある。

 

今、社会がその崩壊に向かって突き進みつつあることを象徴するように、破滅型犯罪が毎週のように起こっている。SNSが普及して技術的に人がつながることが容易になった一方で、どうしようもなく個人は孤立している。

 

ロシアが帝国主義そのものの侵略戦争を勃発させ、日本もまた軍備増強に力を入れつつある20223月、この大規模な破壊の時代のそのあとを見通す視座を獲得するために、今後もマルクスの著作を研究していきたい。(神奈川  O

 

「横浜労働者くらぶ」発行『通信 労働者くらぶ 15号』から引用

 

「横浜労働者くらぶ」学習会の予定

◆「資本論」1巻前半学習会    4月13日(水)1830分~2030分 県民センター702号室

◆「反デューリング論」学習会  4月20日(水)1830分~2030分 県民センター702号室

◆「資本論」1巻後半学習会    4月27日(水)1830分~2030分 県民センター702号室

◆「資本論」3巻学習会          4月27日(水)1810分~2030分 県民センター708号室

 

横浜労働者くらぶ  http://yokorou.blog.fc2.com/

 連絡先 090ー7729ー9433

ロシアのウクライナ侵攻と労働者の立場

『海つばめ』読者からの投稿がありました。「ロシアのウクライナ侵攻と労働者の立場」について論じていますので、紹介します。

 

 ロシアのウクライナ侵攻と労働者の立場 

 

「プーチン氏の本音反映か ウクライナめぐり一方的歴史観―国営通信社が誤配信の論説」【モスクワ時事】ロシアの国営通信社がロシア軍のウクライナ侵攻開始の2日後に誤って配信した、戦勝を前提に準備されたとみられる論説記事が、プーチン大統領の本音を反映していると内外で話題になっている。記事は直ちに削除されたが、プーチン氏が安全保障上の理由からではなく、ウクライナはロシアの一部になるべきだという一方的な歴史観に基づいて侵攻に踏み切ったことを示唆する内容だった。

時事ドットコムニュース 202203050710

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022030400844&g=int

 

『ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について』wikipediaより引用

「この論文はロシア連邦軍が学ぶ義務のある作品のリストに掲載されている」「プーチンは、ロシア人とウクライナ人は、ベラルーシ人と共に、歴史的に三位一体のロシア民族として知られている民族の一つであると主張」

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プーチンの帝国主義的野望はこの記事を待つまでもなく明らかだろう。「歴史的根拠」なんて、日本の天皇制やら「大東亜戦争史観」と同様、権力者が自分の支配の根拠を歴史的に拡張するもの、ためにするものでしかない。

 

wikipediaによると「ゼレンスキーは、この論文を批判し、プーチンの国家間の兄弟愛に関する見解をカインとアベルの物語と比較した。元大統領のペトロ・ポロシェンコもこの論文を強く批判し、アドルフ・ヒトラーのズデーテン地方の演説に対応するものだ」とのことだが、こういう反発が出るのも当然のことだ。

 

こうしたプーチンの帝国主義的野望は当然ながら、ロシアの資本主義的発展の帰結でもある。ロシア封じ込めが、ヨーロッパを筆頭に世界のエネルギー需要に大きな影響となってはね返り、ウクライナ、ロシアという穀倉地帯の紛争は、今後の穀物需要に多大な影響を及ぼす。プーチンの野望は世界のエネルギーと食料に対する重要な位置を占め、揺さぶることだろう。

 

プーチンの帝国主義策動が、ロシア国家資本主義の発展に位置づけられるなら、それに対する反撃は何よりもロシア労働者階級の歴史的課題、任務となる。プーチンはロシア国内の反戦行動に対し、強圧的な弾圧を実行している。

 

すでにプーチンのよき「三位一体」論すら消え失せ、その侵略の意図はあからさまである。

 

アメリカやEUは経済制裁を呼号するが、その声高な割には、効果は遅く不徹底なものに見える。バイデンは経済封鎖を「長期的戦略」といい、現在、目の前での武力侵攻には手を出しかねている。

 

労働者階級の反政府運動はニュース画面では大きく報じられても、勢力としてはまだまだ足りない。ロシア国内での情報統制も執拗に行われ、海外メディアも一斉に国外に追い出されている。しかし、政権の強権的弾圧や支配統制は、これからも、ロシア国内に真実を伝え、広がり、大きな反発を呼ぶだろう。それはプーチンにとって危険な火種となって、ロシア労働者の階級的覚醒を生まずにはいられない。ロシア支配階級の中にも動揺が生まれ、エリツィン・ファミリーの反発を呼んでおり、新興財閥たるオリガルヒの中の一部には離反の動きもみられる。プーチンの強面な支配もまた、その権力基盤自体が盤石な一枚岩とは言えないが故のものなのだ。

 

ロシアの階級闘争を率いる労働者政党の存在の有無はわからないが、いずれにしてもその闘いの中から、必然的に生まれ出ることを信じたい。歴史的必要は必ずその任を担う中心的結晶を生み出すだろう。

 

プーチン・ロシアの帝国主義的策動は、アメリカを頂点とする西側「自由資本主義」勢力にも強い危機感を生んでいる。ロシアの武力侵攻を目の前にして、彼らは自ら掲げてきた「自由、民主主義」をいまのところ投げ捨てることはできないし、「世界大戦の愚行」は彼らの「西側資本主義」すら焼き尽くすのは明らかなのだ。

 

ロシア(中国・印度)以外の諸国家は、ロシアの不法に憤り、世界的規模での経済的制裁を呼号し、世界的世論もそれに同調している。また当事者のウクライナもまた米国に連なる諸国家に期待をかけている。

 

国連は感動的な各国の演説と非難決議を行っているが、プーチンは一向にウクライナ侵攻を止めないし、挑発するかのように原子力関連施設への攻撃と占拠まで行って見せる。また、ウクライナからの避難路の交渉にも誠意を見せない。邪魔者を出ていかせたいのか、否か、まさか殲滅するつもりなのか。

 

見かねたゼレンスキーは国外から義勇軍を募り、徹底抗戦に突き進みたいようだ。自国民男性の国内残留を求めてもいる。こうした動きは国際的にも、ロシアの不法に怒る声の中では、同情的に受け止められている。

 

確かに2万人ともいわれる応募者数とのことだが、現代に国際旅団式の戦闘が有効とも思われず、ウクライナ本土で、地理にも不案内な急ごしらえの部隊がはたしてどれだけ有利に戦えるのか心もとない。ロシアは他国が手を出さないのをいいことに、全戦力をウクライナに侵攻させているのだから。

 

プーチンのロシア国家資本主義打倒の課題は、今、ロシア労働者階級の前に立ち現れているように、西側各国の労働者階級もまた、その課題に正面から向き合うときが来ている。西側の労働者階級もまた、ウクライナ問題は単なる「人道」の問題ではないことを見据えなければならない。

 

第三次世界大戦を避けるという名目のもと「経済封鎖」などが呼号されていても、その実態はエネルギーそして食料問題への波及を恐れる西側資本主義は、徹底したロシア封じ込めはできずにいる。武力に訴えることは自らの「人道」をかなぐり捨てることでもあり、後で自国民の反発を呼ぶことにもなりかねない。

 

西側資本主義もまた安泰なわけではない。ロシアに対し徹底した態度を取れないことからも分かるように、GAFAのような情報関連産業にシフトした産業構造の基盤は脆弱なものとなっている。また、長年の新自由主義的政策により国内に抱える格差拡大の修復も、かつての福祉国家のような幻想すら生みだせていない。

 

目前のコロナ感染対応により留保されていた、格差と貧困の問題が世界的に問題となってくるだろう。トランプのような陰謀論、ポピュリズムの扇動でしか国民的統合を見いだせない資本主義の退廃こそが、プーチンのような「エネルギーと食料」という頑固なリアリズムに足をすくわれるのだ。

 

立ちすくむ西側諸国の支配階級を前に、労働者階級は悲嘆にくれる必要はない。階級的視点に立てばその視界は明瞭である。帝国主義者たちの闘いに労働者が引き回される必要はない。自国の帝国主義者、資本家階級を打倒し乗り越え、労働者の政権、権力樹立に向けて進むべきなのである。それこそが労働者階級としての「人道」を勝ち取る道である。

 

こういった課題は一朝一夕に成し遂げられるものではないだろう。しかし、遠い道のりに見えるとしても、ブルジョアジーの良心や善意に期待することこそ、問題の解決をいっそう遅らせるものであることを自覚しよう。21世紀に入り、資本の抱える矛盾は噴出し課題はいっそう明らかになり、期は熟してきているのである。

 

(そもそも考えてもみよ、いったい今の資本主義社会にどんな「人道」があるというのだ。昨年2月に軍事クーデターが起きたミャンマーを見よ。国内、国外からのミャンマー人民からの「人道的」救援の叫びもむなしく、国軍によるむき出しの武力支配が続き、日々自国民を弾圧し、強奪し、殺し続けているではないか。空爆を行い、民家を焼き払い続けるこの軍事政権に対し、どんな断固たる国際的制裁が行われ、どんな救済の手が差し伸べられているというのか。いったいこの1年もの間、「人道」はどこに行っていたというのか。他にも長引く紛争はパレスチナ、シリア、枚挙に遑がない。日本国内を見ても、外国人技能実習生の問題をはじめ、おびただしい人権侵害が数えられるだろう。) (N)

合理的な判断力を失ったプーチン

党員からの投稿を紹介します。

 

合理的な判断力を失ったプーチン

 

プーチンは妄想した。《軍事侵攻初日で制空権を奪取し48時間で首都キエフ陥落、ゼレンスキーの国外逃亡でウクライナ軍の統制は崩壊。「小ロシア」ウクライナと「白ロシア」ベラルーシが「大ロシア」と一体化した「帝国復活」で欧米諸国と対峙する新秩序誕生》。

  

ロシア国営通信が誤配信した戦勝宣言の予定稿からもプーチンの歴史観と、それを「大義」にした戦争の時代錯誤が読み取れる。大統領と首相がともにユダヤ系の政府をナチ政権と非難、核抑止力行使の挑発など、プーチンは合理的な判断力を失っている。

 

ロシアの戦力は強大だが、それは兵士あってのもの。戦争目的が正当性を欠けば兵力とはならない。軍事訓練が突然戦争になり、短期決着の予定が外れて燃料と食料の補給不足も重なる。ロシア兵の士気低下は顕著という。

 

対するゼレンスキーは、「我々を攻撃する時、あなた方が目にするのは我々の背中ではなく、我々の顔だ」と警告しつつ自国民を鼓舞し、頑強に防衛戦を展開している。欧米の経済制裁とロシア非難の国連決議も、ロシア包囲網となっている。

 

労働者は、ウクライナ人民の自決権を尊重し支援するが、同時に国の枠を越えた国際主義を掲げて一切の軍事同盟に反対し、帝国主義を一掃しなければならない!  (Y)

 

ウクライナ軍事侵略糾弾 ! 直ちに虐殺止めよ!

プーチンがウクライナに対する侵略を開始。「ウクライナ侵略を徹底的に糾弾する」愛知支部の宣伝活動で配布しているチラシを紹介します。

 

プーチンのウクライナ軍事侵略糾弾!

 

★ウクライナにおける専制国家ロシアと米国・EUNATOの抗争は覇権をめぐる対立が本質だ

 

★闘うウクライナ労働者人民、開始されたロシアでの反戦の闘いに連帯して闘おう!

 

 2月24日に開始されたプーチン・ロシア軍によるウクライナに対する一方的な軍事侵略は、圧倒的な軍事力の差によって次第にウクライナ側が追い詰められつつある。しかし報道にあるように、大義なきロシア軍の士気は低く(捕虜になった若いロシア兵は、演習に行くつもりがウクライナに連れてこられたと証言していた)、プーチンの想定を超えるウクライナ軍の抵抗によって犠牲者が増大し、軍用車両の燃料不足などによってプーチンの思惑通りに事が進んでいないことに「イラついている」と報じられた。

 

 状況は刻々と変化しているが、ウクライナの民間人や両国兵士の犠牲者が積み上がっていくような状況は一刻も早く収束されなければならない。

 

 我々は、プーチンは直ちにおぞましい軍事行動を中止するよう要求する。ましてや、核兵器による恫喝や脅迫は世界をむき出しの暴力による抑圧と支配の時代に引きずり下ろすものである。人類がプーチンや習近平が支配する国家資本主義の専制国家と日本や米国などの資本主義国家の民族国家に分裂し対立する中で、共産党が金科玉条のごとく持ち上げる国連憲章などなんの抑止力にもならなかった。

 

崩壊した「ソビエト連邦」の幻影を追い求めるプーチン。歴史の歯車を逆に回そうとするプーチの試みは敗北する! ロシア国内で開始された〝戦争反対〟の動きはプーチン政権終焉の始まり。

 

 圧倒的な軍事力によってウクライナに対する侵略を開始したプーチンの理屈は、自分自身も世界中の誰も納得する内容ではなかった。プーチンは「ウクライナにおいてロシア人がネオナチのゼレンスキー政権によってジェノサイド(集団虐殺)の危険にあった」「ロシア人を保護するため」と語ったが、プーチンこそがウクライナでジェノサイドを引き起こしている。

 

 プーチンは1991年12月に崩壊した「ソビエト連邦」の幻影(プーチンはKGB=秘密警察のメンバーだった)を追い求め、「ソ連邦」の解体(ウクライナなど15カ国によって構成されていた)によって失われた「強いロシア」の復活をひたすら追求してきた。

 

 民族紛争を理由にした2008年のグルジア(ジョージア)に対する軍事介入や14年のウクライナのクリミヤ半島併合とプーチンはひたすら軍事力を増強し、欧米各国に対して弱体な経済力(2020年世界11位IMF資料)を軍事力(特に核戦力)で対抗してきた。プーチンは「ウクライナ人もロシア人も同じ国民」「今のウクライナは共産主義時代のロシアが作り上げたもので、今や西側に操られている傀儡国家だと非難」し、西側に操られている傀儡国家を一掃するには軍事力を行使すると言う。しかしプーチンこそ、軍事力によってウクライナを奪い取りそこにロシアの傀儡国家を作ろうとしているのだ。

 

 他国に対する軍事侵略の度に支持率を高めてきたプーチンであるが、今回のウクライナに対する軍事侵略はプーチンの命取りになる可能性がある。報道にあるようにウクライナ侵略以降、ロシア国内で反戦デモが各地で拡がりを見せている。2月27日現在でロシア国内の60以上の都市で抗議のデモが行われ5900人以上が拘束された。今後、ロシア兵の死者が増加しおぞましい大義なき戦争の実態が明らかになり、制裁によってロシアの人々の生活が困窮化すればプーチン政権に反対する闘いが燃え上がるだろう。

 

 そしてそれが、プーチンのロシア軍と闘うウクライナの労働者人民との連帯した闘いに発展したとき、このおぞましい戦争を終わらせ、両国の労働者人民を抑圧支配する体制の根本的変革に向けての巨大な一歩になるだろう。

 

 それに恐怖するプーチンは、より破壊的な兵器(核兵器の可能性もある)の使用をためらわないだろう。首都キエフを陥落させる為に包囲しインフラを遮断し野蛮な無差別攻撃を準備し実行している。

 

米国・EU・日本は〝経済制裁〟を発動しウクライナに武器供与を拡大

 

 米国やEU、日本はロシアを国際決済網から排除する制裁を含む〝強力〟な〝経済制裁〟を発動した。第二次世界大戦でロシア(当時はソ連)やヨーロッパ各国を侵略した過去のナチスドイツを反省し、ウクライナに対する武器供与を拒んできた(最初はヘルメット五千個供与)ドイツも方針を転換し対戦車ミサイル、対空ミサイルの供与を開始した(そればかりかロシアの脅威に立ち向かうと軍事費をGDP2%に拡大することを直ちに決定した)。北欧各国もウクライナに対する武器供与を決定し、ロシアとの関係が深いトルコも、黒海と地中海をつなぐボスポラス海峡の軍艦の通過を禁止すると通告しロシアの国際的な孤立が進んでいる。強力な〝経済制裁〟や武器供与の拡大は、プーチンの理不尽な軍事侵略に対するウクライナの労働者人民の決死の闘いが背景にあることは間違いない。

 

 ロシアの経済構造は輸出の中心が原油や石油製品天然ガスなどの資源を中心とした経済である。航空機産業やミサイルなど軍事技術に秀でた技術を有するがIT技術や半導体、コンピュータなど最先端技術においては遅れを取っている。〝経済制裁〟においてこれら最先端の製品の輸入が止められる可能性があるが、〝制裁〟に反対する中国を抜け穴にして導入することが十分考えられる。

 

 労働者党は、資本家国家によって課される〝制裁〟がご都合主義的であると告発する。資本家国家による〝制裁〟がご都合主義の欺瞞であるのは、ロシア〝制裁〟の盟主=米国がこれまで繰り返してきた数々の他国に対する一方的な軍事侵略に対して(一方的な言いがかりでイラクフセイン政権を粉砕した軍事侵略を思い起こせ)日本やEUが〝制裁〟を呼びかけた事が一度も無かったからである。二十数年間に及ぶアフガニスタン占領が、再びイスラム原理主義タリバン政権の復活をもたらしアフガニスタンから無責任に逃げるように撤退したではないか。

 

 第二次世界大戦後、ヨーロッパにおいて「ソ連」に対抗するための軍事同盟として組織されたNATOが、ソ連解体後も対ロシア軍事同盟として拡大し続け、ロシアに対する軍事的圧迫を続けてきたのは米国、西欧の列強である。「米国らは自由主義的帝国主義国家として自国の国家的利権、大資本の利益のために国家資本主義の軍事大国ロシアと対抗しているのである」(海つばめ1420号)。

 自国を敵とみなすNATOの拡大が、プーチンのウクライナに対する軍事侵攻の口実を与えたのは確実である。

 

「国連憲章守れ」「侵略やめよ」の無力な呼び掛けでは闘えない!

 

 共産党はロシアのウクライナ侵攻は「主権の尊重」「領土の保全」「武力行使の禁止」を義務付ける「国連憲章」に違反する侵略行為とし、「国際社会が、ロシアのウクライナ侵略反対の一点で団結し、侵略をやめさせることを呼びかける」(2月24日共産党声明)。「侵略をやめよ」「国連憲章を守れ」が共産党の主張の全てである。

 

 ロシアの侵略を前にして「憲法9条」で国を守れるのかの論争が勃発した。共産党は「プーチンのような指導者が戦争を出来ないようにするのが9条」と全く噛み合わない議論を行った。安倍ら改憲派はこの時とばかりに、9条廃止や軍備増強(ドイツが行ったように)、米軍と「核兵器共有」によって抑止力を高めると叫んでいる。

 

 ウクライナ侵略によって明らかになったロシアと米国・EU、日本の対立の本質は、ロシア(それを支える中国)の専制的国家資本主義陣営と米国、西欧、日本の自由主義的資本主義陣営の覇権争いである。どちらの体制も自国の労働者人民を搾取し抑圧する支配体制であることに違いはない。

 

 我々は、共産党が主張する「侵略やめろ」「国連憲章」守れの〝一点〟で団結することはできない。そんなことは岸田も記者会見で言っているではないか。

 

 我々が呼び掛けるのは、プーチン・ロシア軍と闘うウクライナの労働者人民への支持と連帯であり、開始されたロシアの労働者人民のプーチン政権に対する闘いが、ウクライナの労働者人民の闘いと固く結びついたとき、ウクライナの労働者人民に突如降り注いだ悪夢を終わらせる最も確実な方法であると呼び掛ける事である。同時にそれはプーチン政権の終焉をもたらすだろう。

 

 もちろん我々の主戦場は日本である。我々は、対立の本質が世界の覇権をめぐる対立抗争である以上、自民党岸田政権の〝制裁〟の欺瞞を暴露し、中国の軍事的脅威に対抗する軍事力増強や対中・ロの軍事同盟強化の策動に対して反撃を組織しなければならない。

 

 いっそう警戒すべきは、尖閣問題や北方領土をめぐる中・ロとの対決によって、簡単に挙国一致を作り出し民族主義と排外主義を生み出すことであろう。労働者党はいかなる時も、世界の労働者と連帯し資本の支配打倒のために闘う。

 

労働の解放をめざす労働者党愛知支部

 

(一部編集しています)

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