労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

2022年04月

頽廃・堕落深める上野千鶴子

『資本論』学習会を行っているMさんから、上野千鶴子の論説について批判する投稿がありました。紹介します。

 

頽廃・堕落深める上野千鶴子

 ―セックスワーク論を実質的に擁護

 

資本論研究会の前、終了後、参加者と多々のテーマで雑談、論議することがあります。前回、上野千鶴子が何かのきっかけで話題になりました。上野千鶴子を評価する参加者がいましたが、彼女は、社会問題、階級対立などすべての問題をジェンダー、男対女、性の問題に還元していることなど説明しました。


 最近の著に鈴木涼美との往復書簡「限界から始まる」(幻冬舎)があります。この本を読んでいて胸が悪くなりました。

 

彼女らはセックスワーク論に囚われ、性以外の問題はまるでこの世にないかのようです、シングルマザーの貧困問題など語られることはありません。社会問題にはほとんど触れられていません。

 

上野はポルノ産業、風俗産業を実質的に擁護しさえしています。上野「妻のセックスは正当に支払われない『不払労働』なのです」「セックスワークは女性にとっての経済行為です」。上野に生産的労働の概念は一切ありません。上野は「マルクス主義フェミニズム」とか言っていますが、上野の主張にはマルクス主義とは縁もいかりもありません。

 

労働者党元代表亡き林さんの上野への批判は「科学的共産主義研究」65号、72頁以下、林著作集第5巻「女性解放と教育改革」45頁にありますが、鈴木涼美から「日本女性の碩学」と評され、東大名誉教授の肩書を持ちマスコミの寵児になっている今、上野の堕落はより深まっています。

 

亡くなられた林さんの「レーニンの言葉」43頁以下に「性的なことをあさりまわる風潮」、性の「水一杯の理論」などの批判があります。日本はアダルトビデオの生産では世界で一位か二位です。ネットの普及で幼児・子どもでも簡単にアダルトサイトに行きつくようになっています。

 

ポルノ、セックスワーク論を批判した最近の著に「マルクス主義、フェミニズム、セックスワーク論――搾取と暴力に抗うために」(森田成也、慶応義塾大学出版会)があります。藤田孝典氏は、この本を「日常化した女性差別に抗う理論を必要とする人たちへ。日本における売買春の決定版の書」と評しています。

 

ポルノ、セックスワーク論が現実、さまざまな角度から批判されています。売買春合法化国では、合法性の看板のもとで強制的、搾取的な合法店の売買春が横行し、数倍の違法店が存在している、ポルノの蔓延は女性を社会的地位低下、性的不平等の深刻化、性的安全性の侵害に影響を及ぼしている、など。ブルジョア民主主義、憲法などの観点から論じるなどの限界はあり、資本論研究会参加者から、この本は性の問題を特別視し、性の問題から社会問題を論じすぎているとの批判もありますが、ほとんどの「リベラル派」がセックスワーク論に囚われ、風俗批判は「職業差別」という声だけが聞こえ、セックスワーク論に全くといいってよいほど批判がみられない今、一定の限界を自覚の上読めば、私は一読の価値はあると思っています。 (M)

『資本論』学習会からの投稿

 『資本論』学習会を行っているMさんから、投稿がありました。紹介します。


無条件で是認されるものではない

――「キエフ」を「キーウ」に呼称変更

 

 「『資本論』を読む会」終了後、ロシアのウクライナ侵攻を受け、自民党などの要望を受け、ロシア語由来の「キエフ」を「キーウ」に呼称変更したことが話題に。

 

少しおかしいのではないか、違和感ある。「キーウ」とウクライナ語にするすること自体は良いかもしれないが、それならウクライナが独立した時にすべきだった、悪いのはプーチン政権であって、ロシア語自体が罪で悪いわけではない。

 

ゼレンスキー大統領はNATO加盟を掲げ、ロシア語を抑圧し、ウクライナ民族主義を煽ってきた。だが、世界では国名ですらすべて自国語で呼ばれているわけではない。

 

2015年には、日本で「ジョージア」がロシア語由来の「グルジア」から、英語の「ジョージア」に呼称変更になった。これも変である。「ジョージア」は自国では「サカルトヴェロ」と呼ばれている。この呼称変更は「ジョージア」の反ロシア感情、民族主義を受けてのことである。アメリカにはジョージア州もあり紛らわしい。

 

日本は、海外では「二ホン」ではなく「ジャパン」と呼ばれるのが多い「イギリス」が「イギリス」と通用するのは日本のみ、「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」、英語での略称は「United Kingdom(英語の直訳は「連合王国」)、「UK」。ウクライナ民族主義を受けての今回の呼称変更は無条件で是認されるものではない。

 

「利己主義があるから共産主義実現不可能」説について

――利己心は決して永遠不変の人間性ではない

 

直接ではないが「『資本論』を読む会」参加者のNさんが、人間は「利己主義」があるから共産主義の実現が不可能であると言われていたことを間接的に聞く。

 

最近の朝日にも共産党に「共産主義」の放棄を勧めるブルジョア学者の忠告が掲載されていたが、「利己主義」による「共産主義」不可能論もよく聞く話ではある。

 

「利己主義」について亡くなられた林さんは書いている。

 

「利己心は決して永遠不変の人間性ではなく、人間社会の発達史の一段階における一つの人間性であるにすぎないからである。あらゆる動物と同じく、人間にも生きて行くという本能、自己保存の本能がある。しかしこの本能が社会的協力(共労)という形ではなく、利己心として、つまり他の人々の犠牲における、自己のヨリ良い生活への欲求としてあらわれるということ、これはもはや単なる欲求としては説明しえないことであろう。なぜなら万人の社会的共労によって、人間は、生きて行こうという本能、自己保存の本能を十全に充足しうるからである。~利己心はブルジョア的社会と切り離しえないものであり、まさにこの社会の産物である。」(栗木伸一〔労働者党元党代表の林紘義のペンネーム〕評論集、「我々の闘いの軌跡」193ページ以降参照)。機会があればNさんにこうしたことを話してみたいと思っています。

 

ロシアによる真実・事実の隠蔽について

――「自虐史観」非難で、散々真相・事実・歴史を隠蔽

 

 自民党、産経新聞などはウクライナ侵攻を受けロシアによる真実・事実の隠蔽を言っています。よく言うなと思います。彼らは日中戦争、南京大虐殺、従軍慰安婦など今のロシア以上の残虐行為を暴く者に対し「自虐史観」とか言って散々真相・事実・歴史を隠蔽しようとしてきました。産経新聞はこの「歴史戦」の先頭にたってきました。彼らに今のロシアを批判する資格はありません。

 

ロシア革命の性格

――全体としてはブルジョア革命

 

 「革命家、思想家、人間としてのレーニン」という労働者党の亡くなられた林元代表が書かれた論文の中で、ロシア革命は全体としてはブルジョア革命であった、社会主義革命の客観的条件を欠く国において、労働者の階級闘争を最後まで推し進めるという立場は矛盾であったが、それは理論の矛盾というより、現実の矛盾であった、等々記されています。今のロシアやレーニン主義を理解する上で多くの示唆があります。多くの方に読まれていないのはもったいないと思います。

DSA(アメリカ民主社会主義者)の声明

DSA(アメリカ民主社会主義者)の声明

アメリカの社会主義的左翼のDSA(アメリカ民主社会主義者)がロシアのウクライナ侵攻直後に出した声明を紹介します。長野のYSさんの訳です。

特徴は、ロシアだけではなくNATOやアメリカの拡張主義も非難しているところ。日本の野党がほとんどアメリカの肩に乗ってロシア非難をしているのと比べ、アメリカ本国の左翼政党が当のアメリカ自身を非難しているのは心強い。

 

【ロシアのウクライナ侵略について】

 DSA 声明、2022.2.26

 

DSA はロシアのウクライナ侵略を糾弾し、この危機を解決するために早急な外交的・非拡大措置を要求する。我々は、この戦争の攻撃の鉾先を担うことになるウクライナとロシアの労働者階級との連帯と外交的解決を求めている両国及び世界の反戦抗議者との連帯を表明する。

 

この極端で非対称なエスカレーションは国連憲章の下では不法行為であり、ウクライナやロシアの、また両地域にまたがる地区の労働者人民の生活と安寧を深刻に脅かすものである。我々は速やかな停戦とロシア軍のウクライナからの全面撤退を強く主張する。

 

戦争やさらなる干渉によってはいかなる解決もない。この危機は、非拡大を求める国際的な反戦対応や国際的協力を必要としている。また、この対立の犠牲を拡大させる一方的で強引な手段や軍事化、その他の経済的軍事的な瀬戸際外交に対する反対を必要としている。

 

我々は、アメリカがNATO から手を引き、この対立の舞台を準備した帝国主義的拡張主義を終わらせることを要求する我々の立場を再確認する。我々はアメリカ及び世界の反戦活動家に暴力的拡大に反対し、永続的な外交的解決を要求し、この危機に由来するすべての難民を受け入れる決定的な必要性を強調するよう求める。この攻撃を通して、次の10 年間の大部分が視野に入ってくる。新自由主義的秩序の失敗が誰の目にも明らかであるにもかかわらず、支配階級は軍国主義や帝国主義、戦争に基づく暗黒郷的転換によって新しい世界を作ろうと試みている。社会主義者はその反対の世界を築く義務を負っている。

 

戦争反対、むしろ階級戦を!

 

(長野のYSさんの日本語訳です)

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※アメリカ民主社会主義者(DSA)は、アメリカ社会党(1901 年結成)の流れをくむ「民主社会主義者組織委員会(DSOC)」とニューレフト知識人らが合同して1982 年に結成された。結成当初は6千人程度の会員しかいなかったが、トランプ政権の誕生による若者らの危機感とサンダース旋風の中で勢力を拡大し、2021 6 月現在9.5 万人の会員を持つまでになっている。

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