労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

2024年04月

柄谷“理論”は正しいか?――「“交換”こそが『資本論』の中心」?

神奈川で『資本論』などの学習活動をしている『横浜労働者くらぶ』の会報で、宇野弘蔵を高く評価する柄谷行人氏について、その非マルクス主義を指摘する論評が掲載されています。『資本論』の理解の一助になると考え、紹介します。(担当)―—会報での文章を一部校正しています。——

 

「“交換”こそが『資本論』の中心」!?

― 柄谷“理論”は正しいか?―

 

先月の『資本論第2巻』学習会で、Hさんが、朝日新聞(3 13 日朝刊)で、柄谷行人氏が「“交換”こそが『資本論』の中心」だ、と述べていると紹介された。私はそれを読んでいなかったが、マルクスの経済学は、生産こそ経済の土台であり生産関係によって流通の在り方も決まる、交換が中心というのはおかしい、と意見を述べた。家に帰って早速当日の新聞に載っていた柄谷氏の「私の謎 マルクスの可能性 上」を読んだ。これまで私は、柄谷氏の著作を読んだことがなく、以前週刊文春(2023.1.512 合併号)で池上彰との対談とこの朝日の連載記事でしか氏の理論を知らなかったが、それでも氏の理論は非常に問題があると感じていた。柄谷氏の著作も読まないで氏の理論を論評するのは、無責任のそしり

を免れないが、文春と朝日の対談で知ることができる限りで氏の理論を見てみたいと思う。

 

★宇野派に無批判に追随!

 

氏は昨年の同じ連載の「マルクスの本領 上」(23.8.9)で次のように述べている。「一番よく読んでいたのは、マルクス経済学者の宇野弘蔵です。『経済原論』など、入学して早速買いましたね。」「この本(鈴木鴻一郎(宇野派)の『経済学原理』)は、宇野の考えをさらに進めて見事にまとめている、『資本論』のことが初めてよく分かった」。

 

これを見てもわかるように柄谷氏は、あまりにも無邪気に宇野派の資本論理解を正しいものとしている。しかし当時においても宇野派の資本論理解には多くの批判があった。柄谷氏はそれらを検討したのだろうか? 宇野派に対する批判には触れておらず、到底そのようには思えないのである。

 

★史的唯物論はマルクスのものではない?

 

「マルクス主義の主流派は、『資本論』は大事だと言うけれども、あくまで<史的唯物論>が基礎にある。 <史的唯物論>は、元来エンゲルスが考えたようなもので、マルクスの思想とは言えない。一方、宇野派は『資本論』を緻密に再構成したのです。」

 

ここで氏は、何の根拠もなく突然、マルクスと史的唯物論(唯物史観)を切り離し、史的唯物論をエンゲルスの創始であるかに(一部のインテリも言っているが)語っている。

 

しかし史的唯物論は、エンゲルス自身が、「唯物論的な歴史観は、私ではなくてマルクスが発見したもの」(『ドイツ農民戦争』序文)と述べ、またマルクス自身も、唯物史観を“導きの糸”にしたと語っている(『経済学批判』序文)ように、唯物史観はマルクス主義の剰余価値論と並ぶマルクスの二大発見である(『空想から科学へ』)。しかし史的唯物論については、ここでは問題から外れるので問題にしないでおこう。

 

柄谷は「宇野派は『資本論』を緻密に再構成した」というが、これは宇野が、ウェーバー流に資本主義の理想型、つまり、資本主義が永遠に自己運動するという、いわゆる“純粋資本主義”なるものを考えたことを指している。こうして宇野は、『資本論』から、資本主義の生成、発展、没落を説く史的唯物論を余計な物、単なるイデオロギーとして排除したのである。柄谷の理論はあまりにも無批判に宇野派に追随しているのだ。

 

★「交換の謎」「交換の物神の力」など

―― “交換”を呪物化!

 

柄谷理論の中心は“交換”である。柄谷は次のように述べている。「『資本論』において着目すべきなのは、物の交換がもたらす観念的な力(物神)だということです。しかし、従来のマルクス主義では、”中心”は史的唯物論、つまり生産様式にあると考えられていて、”交換”の問題は”周辺”に追いやられてほぼ無視されていた。僕はそれを前面に出したんです。」(23.8.9)「<物神>という考えは、マルクスの冗談だと受け取られていました。…しかし、僕は、マルクスは本気で物神のことを考えた人だと思った。マルクスこそ、交換の謎を見ていた、と。

 

柄谷はここで、交換を何か生産様式と対立する別個の存在として考えているようだが、エンゲルスが「唯物史観は、次の命題から出発する。すなわち、生産が、そして生産の次にはその生産物の交換が、あらゆる社会制度の基礎であるということ」(『空想から科学へ』)あるいはマルクスが「生産者たちが相互に取り結ぶ社会的関係、そのもとで彼らがその諸活動を交換しあうことによってのみ、生産する」(『賃労働と資本』)等と述べていることから明らかなように、決して交換は生産と切り離されたものではなく生産様式の一部であり、生産関係そのものなのである。

 

柄谷は、「マルクスも労働価値説を引き継ぎましたが、彼の独自性は、商品と商品との交換様式から価値を考えたところにある。宇野や宇野派はこのことをつかんでいたと思います。この交換にはマルクスの言うところの<物神>(フェティッシュ)の力が関わっている。」(23.8.9) 柄谷は、「マルクスの独自性は、商品と商品の交換様式から価値を考えたところにある、宇野や宇野派はこのことをつかんでいた」というが、いったいどうゆう意味か?

 

マルクスは、交換様式から価値など考えたりしていない。彼は、単純な商品において、人間の欲望や使用価値を捨象して、抽象によって価値の実体を把握したのである。また、宇野や宇野派が「交換様式から価値をつかんでいた」というのは、宇野が、物々交換から始まって資本主義的商品の交換に至るまでの商品経済の発展が価値の実体を明らかにした、などといって宇野が抽象を否定したことを指しているのか?

 

柄谷の宇野への追随は限りがない。さらに柄谷は、ここで「交換の謎」とか、「交換のもたらす観念的な力」、「物神の力」などと述べているが、それが何であるか一向にはっきりしない。商品の物神性とは、生産物が商品になることによって抽象的人間労働が価値として現れ、その価値を、商品があたかも自然的属性のように持っているように見えることを言うのである。

 

「交換の謎」とか「交換の物神の力」などと交換に何か呪物性があるかに語っているが、マルクスが商品の物神性に似たものとして宗教を例示していることに暗示を受け、柄谷がこじつけたのだろうか?

 

★商品には価値が内在しない!?

 

さらに柄谷は次のように述べる。「いったん貨幣が出現すると、あらゆるものが貨幣価値で表現されうるようになって、商品がもともと“価値”をはらんでいたかのような錯覚が起こる。しかし、商品に価値が内在しているわけではない。価値は、あくまで異なる価値体系の間での交換を通じて生じるから」と。

 

しかし、商品が「価値をはらんでいない」、「価値が内在していない」としたら、価値が交換価値として現象することはないし、商品交換も生じない。柄谷は、物神性の”錯覚“がどこから来るのか分かっていないのだ。

 

マルクスは、次のように述べている。「労働生産物が、商品形態をとるや否や生ずる、その謎に満ちた性質はどこから発生するのか? 明らかにこの形態自身からである。」(岩波第1分冊p131)つまり抽象的人間労働は、生産物の歴史的形態である商品形態において価値として現象するのである。

 

★価値は「異なる価値体系間の交換から生まれる」!?

 

では、商品に価値が内在することを否定した柄谷は、どこに価値の創造を求めるのか? 柄谷は、価値は異なる価値体系との交換から生じるなどと、とんでもないことを言い出す。彼は、対談者が、「たしかに、場所や時代によって同じ商品でも値段は変わりますよね。」ということばに答えて、次のように言う。「産業資本でも商人資本でも、利益を生み出すのは、価値体系の違いです。商品は、異なる価値体系の間で交換されることを通じて、価値・利益を生む。逆に言うと、交換が成立しなければ、商品に価値がない」(24.3.13)と言う。

 

これは大変な商品価値の理解である! 柄谷は「交換が成立しなければ、商品に価値がない。」というが、そもそも商品は他の商品の存在とその交換を前提にしているのだ。柄谷にとって、価値とは抽象的人間労働が対象化されたものではなく、単なる“利益”にすぎない。柄谷のいう価値体系は、「場所や時代によって変わる」“値段”体系に過ぎず、「異なる価値体系の間で交換されることを通じて、価値・利益を生む」というものなのだ。

 

ここでは、価値と利益は同じものとされ、産業資本(商人資本はともかく)は、「異なる価値体系間の交換から価値を生み出す」と言うのである。産業資本は商人資本と同列に置かれ、剰余価値を労働者から搾取し利潤を生みだすのではないかに言う。商人資本と同じく「詐欺、瞞着、略奪」から利益を生み出すかに言うのである。

 

もう沢山である。初めに断ったように私は柄谷氏の著作を読んでいないが、朝日新聞の対談だけで以上の感想を持った。氏は、珍奇な宇野理論を正しいと思い込み、自分に都合の良い部分をとっているだけである。改めて氏の著作を読む気も失せてしまった。(K)

 

『労働者くらぶ』通算第40号2024424日『横浜労働者くらぶ』発行

 

「横浜労働者くらぶ」学習会案内

 5月の予定

◆「資本論」第1巻学習会

・5月22日(水)18 30 分~20 30   / 県民センター703 号室

*第12章第3節「工場制手工業の二つの基本形態」から第13章第1節「機械装置の 発達」まで学習します。

◆「資本論」第2巻学習会

・5月8日(水)18 30 分~20 30 県民センター703 号室

*第 8 章「固定資本と流動資本」から第10章「固定資本と流動資本にかんする諸理 論」まで学習します。

◆レーニン「カール・マルクス他18篇」(岩波文庫) 学習会

・5月15日(水)18 30 分~20 30 / 県民センター703 号室 *論文「青年同盟の任務」他2篇を読みます。

 

連絡先

Tel080-4406-1941(菊池)

Mailkikuchi.satoshi@jcom.home.ne.jp

メーデーでの宣伝活動に参加しよう

メーデーでの宣伝活動に参加しよう

 

 2024メーデーでも労働者党は全国で宣伝活動を行います。メーデーに結集する労働者に一緒に訴えませんか。配布するビラを紹介しますので、参加される方は事前に連絡いただければ集合場所の案内をします。当日メーデー会場で参加していただいても結構です。共にがんばりましょう。(地域での配布希望の方もご連絡ください。)

労働の解放をめざす労働者党2024メーデービラ

 

2024メーデービラ表枠付き
【表】

闘い無き「満額回答」は資本への屈服だ!

アメ(満額回答)とムチ(搾取強化)に反撃しよう!

 

 大企業を中心とした賃上げは平均5・25%と33年ぶりに5%を超えた。中小労組は4・69%(4/2連合)と中間発表された。組合に組織されていない83・7%の労働者の賃上げは不透明である。早々に妥結した大企業を中心に組織されている労組幹部の「未組織を含めたすべての働く者の賃上げと労働諸条件の改善に、確実に波及させ、皆様と連携を強め、取り組んでまいりたい」(連合大阪)と言う、この他人行儀の言い草はなんだ。闘いの呼び掛けは〝団結・連帯・協力し支援をする、共に闘おう!〟でなければならない。

 

◇満額回答に貫かれている資本の狙い

 

 大企業の労組は早々(3/15)に満額回答を受けて春闘の幕を引いた。資本が満額回答したのは、賃上げと物価の好循環などという政府の〝お題目〟に付き合ってではない。日本の企業が国内外で生き残っていくために、人材を確保し繋ぎ止め、労働者に資本と一体となって競争を戦いぬく〝覚悟〟を求めた満額回答である。

 資本の狙いは、日本製鉄が明らかにしている。日本製鉄は労組の要求額3万を上回る3万5千円を回答し、「将来のさらなる生産性向上や課題対応のため人に投資した。従業員にもそれに応える覚悟を求めていきたい」(人事労政部長)と、資本の狙いは明確だ。カネは出すそのかわり会社のために、利益を増やす〝覚悟〟を持って働けということだ。

 

◇資本のプロパガンダと共闘した連合の〝労資春闘〟

 

 「新たな経済社会へのステージ転換の第一歩になった。この結果が今後、消費につながることを期待したい」(連合芳野会長)。芳野は〝労資共闘〟で満額回答を受け取ったことにさぞかし満足しただろう。組合員は闘う方法も団結も理論も学ぶ事なく〝武装解除〟し春闘が終わった。

 資本家の考えは「春闘には『闘』の文字が入っているが、闘う相手はデフレであり、価格転嫁が進まない社会の風習を改める闘いだ」(経団連十倉会長)というものである。政府・資本家の目的は、春闘を利用した価格転嫁(物価上昇)の受け入れを〝醸成〟するための〝プロパガンダ〟であった。

 賃金が上がっても物価が上昇すれば、何も変わらない。昨年の賃上げ3・60%(厚労省発表)を上回る物価上昇によって、2月に実質賃金は連続23ヵ月マイナスになった。去年を上回る賃上げも物価上昇が続くとおじゃんだ。賃上げと物価の好循環など存在しない。

 

◇資本の強欲な要求は搾取の強化・生産性向上

 

 「(賃金だけを)無尽蔵に上げるわけにはいかず、生産性を上げていかなければならないが、デフレの際はそれができなかった、(現状は)転換点に来ている」(経済同友会新浪)。「労働者は、リスキリング(学び直し)などを通じて技能を磨き、労働生産性向上に努めることが重要である」(野村総合研究所)。これらの発言は何を意味するか。

  生産性向上は労働者が生産量・付加価値をどれだけ効率的に生産するか追求する。それは人を減らし労働強度を高め、学び直しを労働者に要求する。日鉄は最長3年間の学び直し休職(無給で、結果は労働者の自己責任)、トヨタでも25年までに約九千人など、選別・再教育が開始されている。生産性を高め搾取を強化し利潤を増大させることが、「満額回答」で応えた資本からの強欲な「要求」であることが確認できる。

 

◇非正規労働・差別労働の一掃を要求する闘いの前進を

 

 厚労省によれば非正規労働者は、23年に2124万人と就業者全体(5730万人)の37・1%と発表した。平均賃金は正規雇用2014円(時給)に対して7割の1407円と発表した。しかしこれは、手当や賞与を含まない金額であり非正規労働者の多くは年収200万円台であり、結婚を諦め、低賃金のため満足な年金もなく、〝生涯現役〟として死ぬまで資本のくびき(搾取労働)の下で働き続けなければならないのが現実だ。

 非正規雇用に占める女性労働者の比率は68%で賃金は安い。子育て支援などバラマキ政策を政府は誇るが、母子世帯の44・5%が貧困(全体では15・4%)状態にある。人口減で労働力不足だと政府や資本家は危機感を煽るが、労働者を使い勝手の良い〝道具〟非正規労働に追い込んだのは政府、資本家である。結婚出来ない非正規労働者を増やしながら「人手が足りない」とは、無責任そのものだ。

 未組織、非正規労働者の賃上げを可能にするのは、メーデーに結集する組織された労働者の支援と連帯した闘いである。苛酷な搾取労働を打ち破るのは労働者の団結した闘いである。団結しよう! 労働者党と共に闘おう!

 

 2024メーデービラ裏枠付き

【裏】

醜態をさらし権力にしがみつく岸田

 

 岸田内閣支持率は17%、不支持は77%(3/1617毎日)。岸田内閣支持率は20%以下の低空飛行を続けている。言うまでもなく派閥の裏金問題をめぐる岸田の対応に対する反発が全国で広範に存在しているのである。

 裏金問題では安倍派、二階派の39名を処分した。安倍派座長の塩谷と参院前幹事長の世耕には「離党勧告」処分をしたが、世耕は離党し衆院選出馬を準備中。塩谷は処分の再審査請求を行ったが却下された。二階は引退を表明し処分から逃れ、森には電話で話して終わりである。

 裏金は誰が何のために始めたか、何に使われたのかの解明も進まぬうちに、処分を決めるというでたらめで、そんなことでごまかせると、有権者を馬鹿にしている。ここには真相をうやむやにして、形式的な処分で裏金問題の幕引きを図り、政権を延命させようとする岸田自民党の意図が暴露されている。

 岸田は自分のことは処分から外し、自分が政治改革の先頭で取り組む。「それを国民、党員に評価していただく」と衆院解散をちらつかせて、自民党内の主導権争いを優位にしようと画策しているのであり、不正を反省するどころか、権力闘争に明け暮れているだけだ。

 

◇国の借金千百兆円!労働者に尻ぬぐいを押し付けるな!

 

 岸田の低い支持率は、増税――少子化対策の財源は結局「支援金」という、労働者にとっては増税であり、昨年から開始された5年で43兆円の軍事費増税も来年から開始される。防衛装備品価格が高騰し43兆円を大幅に超過すれば税負担はさらに増える――や、児童手当も所得制限なし人気取りのバラマキ政治で少子化対策もいいかげんだからである。そして安保三文書を国会審議も行わず閣議決定で法制化した軍事増強の好戦的政治家として、「衣の袖から鎧が見えてる」と見透かされているのだ。

 24年度予算歳入百十二兆円のうち国債は35兆円と歳入の31・2%は借金に依存し、歳出の24%が借金返済の国債費である。日銀のマイナス金利解除は、預金利子や住宅ローン金利に影響するので注目されているが、影響は?

 労働者が我が事として考えなければならないのは(MMT派は他人事だ)、国債が千百兆円にも膨れ上がり、そのうち日銀が54%(五百九十兆円)保有という現実だ。

 金利が上れば国債費が増え、国債価格は下落し日銀保有の国債の「含み損」は多額になる。借金漬け財政の尻ぬぐいは大増税や社会保障の削減と円安、天井知らずの物価高騰で労働者大衆に負担が押し付けられるのだ。

 

◇日中ともに覇権を争う帝国主義国家、課題は岸田政権に反対する闘い

 

 軍事予算は前年比16・6%増の7兆9172億円となった。ミサイルの量産化が始まり、F35Bを搭載する空母の第一次改修が終了し実戦配備に向けた試験が始まった。台湾有事は日本の有事と岸田は好戦的国家主義的政治家として、中国と対峙する沖縄南西諸島での陸上自衛隊の基地の建設、ミサイル部隊の配備を加速させている。

 日本は海外に巨額な資本を投下し工場や現地法人は莫大な利潤を稼ぐ帝国主義国家である。世界2位の経済大国中国も海外に資本投下し、権益を守る軍隊を有する帝国主義国家として登場している。岸田政権を軍事大国に突き動かしているのは、日本資本主義の帝国主義的なあり方だと見据えることが重要である。

 共産党田村委員長は、岸田の共同声明に「東アジアの軍事的緊張を激化させる〝戦争の準備〟ではなく、外交による〝平和の準備〟が求められている」と、声明を出したが、軍事的緊張をもたらしているのは日米中の帝国主義国家の権益と覇権をめぐる争いである。したがってそれに反対する闘いは、自国の帝国主義に反対する労働者の国際主義的立場に立脚した闘いであって、ブルジョア政府の外交に期待したり、依存することではない。

 岸田は4月8日からの国賓訪米では、迎撃ミサイルの共同開発や無人機の開発、24年度に自衛隊が新たに作る「統合作戦司令部」と在日米軍と指揮系統の一体化の検討、米英豪の対中軍事同盟「AUKUS」への技術的協力などを発表し、米国との軍事同盟をより実戦的に進化させた。岸田は共同声明で「日本は(米国の)グローバルなパートナーとして両国関係を不断に発展させ、インド太平洋地域、世界の課題解決の先頭に立つ」と、将来的には米国共同での軍事行使をも約束した。

 

◇訪米で日米軍事同盟をさらに強化

 

 岸田は訪米の成果をアッピールし、バイデンとの親密な関係や外交成果を支持率アップにつなげ、裏金問題などで失った支持を回復し政権の浮揚を図ろうとしている。

 労働者は、そんな見え透いた策動に騙されることなく、岸田政権打倒の闘いを進めていこう! 共に闘わん!

 

◎ 林 紘義 遺稿集 発刊(本体2千円+税)

 労働者党元党代表の林紘義さんは2021年2月に82才で亡くなりました。共産党や新左翼運動に反発し、「左」右の日和見主義と一線を画して労働者解放の道を追求し、労働者の新しい政治組織建設の闘いを貫きました。ようやく遺稿集第1巻発行に漕ぎつけました。闘いの意義の確認、闘いの継承のためにもぜひご購読下さい。

 

労働者・働く者の新聞『海つばめ』(本体A3両面)

定期購読料 1年分開封2千円密封2千5百円(送料共)

労働者党理論誌『プロメテウス』62

《特集》中国・ロシアの真実 本体千円+税(送料別)

労働者党理論誌『プロメテウス』61

《特集》激化する帝国主義的対立 本体八百円+税(送料別)

出版物の購読は党員や全国社研社にお申し込み下さい。

 

労働の解放をめざす労働者党

連絡先:〒179-0074 東京都練馬区春日町1-11-12-409「全国社研社」気付 TEL/FAX 03(6795)2822

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