労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

2026年02月

資本や経団連に同調するのではなく、 労働者の自主的な闘いの構築を!

読者からの投稿を紹介します。(担当)

 

資本や経団連に同調するのではなく、

労働者の自主的な闘いの構築を!

 

最近、よく耳にする主張がある。「自民党政権が続けば資本家も困る」「自民党政権に資本家も怒っている」という主張である。

 

例えば、選挙期間中の21日、街頭演説で高市は円安について「今、ホクホク状態だ」と発言した。これを受けてみずほ銀行は「高市演説を受けて〜危うい現状認識〜」というリポートを発表し、高市の発言を「『円安で国内投資が増える』ことに対して期待を抱いているのだろう。残念ながらこれは極めて前時代的な発想である」と批判した。

 

これに対して共産党の辰巳孝太郎は「高市首相の認識を木っ端微塵にするみずほ銀行」とXで発言。また、立憲民主党参議院議員の塩村文夏や元長野県知事の田中康夫はそれぞれ「高市総理の認識に日経新聞や共同通信だけではなく、みずほ銀行も警鐘を鳴らしています」(塩村)、「前時代的な価値観が温存される島国ニッポンを危惧」(田中)Xで述べた。

 

また少し古くなってしまうが20246月、経団連は政府に対して選択的夫婦別姓制度導入を求める提言を行なった。これを受けて共産党は赤旗のコラムで「時の進歩を示す提言でした」と絶賛した。要は「経団連も怒っているのだから早く導入せよ」という訳である。

 

しかしここで立ち止まって考える必要がある。

 

確かに資本家が自民党政権に対して苦言を呈したり、批判したり、あるいは進歩的な主張を行うような事は当然あるだろう。

 

だがそれは決して彼らが我々労働者の側に立ったからではない。マルクスは『経済学・哲学草稿』の中で「労働者と資本家がともに苦境にあるとき、労働者は生きていけるかどうかで苦しんでいるが、資本家は金もうけができるかどうかで苦しんでいる」(光文社古典新訳文庫20頁)と述べたが、彼ら資本家は自らの金儲けに不利だと判断した場合に限って政権に異議を唱えるのであって、全体として見れば、今日に至るまで自民党政治を支持し、その恩恵を受けてきた存在である。

 

それにも関わらず野党議員(特に共産党)などが「経済界も警鐘を鳴らしている」と誇らしげに語るその姿は何とも滑稽である。

 

我々労働者が進むべき道は、野党議員のように資本家の不満に便乗するのではなく、その階級的立場から政権の本質を見抜き、声を上げ、団結し、自民党政権打倒のために主体的に闘うことである。「資本家も困るから高市政権に反対だ」ではなく、「高市政権は総資本を代表しているから反対だ」という主張こそが今必要なのである。

 

その上で、次のことを確認しなければならない。

 

なぜ、労働者は資本家が必要とする時にのみ労働力を買われて雇用され、いらないとなれば、解雇されるのか? この仕組は変わらないのか? なぜ、非正規雇用という極小賃金労働者が労働者の4割もいるのか?

 

なぜ、資本家=金持ちの所得(利潤)と労働者の所得(賃金)は、かくも大きな差があるのか?

 

そのためか、ずっと賃金は上がらず、最近は物価高騰がひどくて、実質賃金は低下の一方だ。資本主義という社会は労働者が住みにくい社会だという実感が湧いてくる。何とかしなければならない!

 

だから、労働者は自らの未来社会(資本の搾取から解放された共同体社会)を切り開いて行かなければならない。

 

最近、真剣にそう考えている。みんなも一緒に考え行動しよう!


(労働者H)

日本農業の現状と我々労働者の立場

宮本 博著『「25年農業センサス結果の概要(概数値)」を読んで

――日本農業の現状と我々労働者の立場』の紹介

 

25年農業センサス結果の概要(概数値)」を読んで、日本農業の現状と我々労働者の立場を考察した、宮本 博氏の論文が労働者党ホームページに掲載されました。ぜひお読みください。「日本農業の現状と我々労働者の立場」では、2025年に実施された農林業センサスの結果をもとに、日本農業の変化について労働者の視点からの分析が行われています。主なポイントは以下の通りです。

◎農業経営体の減少と大規模化:農業経営体数は前回調査から約24.7万減少し、初めて100万を下回る82.8万に。特に家族経営の個人経営体が大きく減少し、法人経営体の割合が増加しています。

◎基幹的農業従事者の減少と高齢化:農業の中心を担う人々が34.2万人減少し、平均年齢は67.6歳。65歳以上の割合が高く、若年層の割合はわずかに増加したものの、全体としては高齢化が進行中です。

◎米作農業の危機:「令和の米騒動」と呼ばれる事態を背景に、米作農業の構造的問題や経営体の脆弱性が浮き彫りになっています。

◎こうした分析を通じて、筆者は農業の資本主義的再編と労働者階級への影響を批判的に捉え、労働者の立場から農業問題の解決を考察しています。ぜひ参考にしてください。

 

ここでは、筆者が強調したいと述べている箇所を紹介します。

 

――引用開始――

 

 最後に、この小論を終えるにあたって強調したいことがある。

 

 以前から、山間地や中山間地が多くて平場が少なくしかも国土も狭隘であるという理由で、日本の農業はいくら規模を拡大しても広大な平原のある米国やオーストラリアそしてEUなどの農業にはとうてい太刀打ちできない、といった主張がなされてきた。こうした主張は保護主義を正当化するために、そして、小規模農業を擁護するために大手を振って通説としてまかり通ってきたし、現在でもかなりの説得力を持ってまかり通っている。

 

 たとえば一部の農業経済学者たちのなかには、世界の農業を規模別に3類型に区別する者がいる。1農業経営体当たりの平均経営規模別に、まず日本の253.7 ha(稲作では201.8ha)・中国:0.59ha・韓国:1.46haなどを挙げて、この規模が1類型の東アジア型だとされる。2類型としては、イギリス:81 ha20年)・フランス:69ha・ドイツ:59haなどの旧大陸のヨーロッパ型が、そして3類型では未開の大地を開拓したと言われる―――勿論、実際には先住民(ネイティブアメリカンやアボリジニ)から土地を奪い彼らを追い出してからの開拓だったが―――米国:442ha(稲作では16160ha)・オーストラリア:412ha19年)などの新大陸型が挙げられる。

 

 彼らは、こうした現にあるがままの状態を不変なものとして捉えたうえで、水田耕作中心の日本農業の規模の零細性は夏季に高温多雨の特性をもつアジアモンスーン気候に絶対的に制約されている、この事情は太古の昔から変えることのできない自然的歴史的必然からする運命的な宿痾だ、零細分散錯圃下にある小規模な家族農業という日本農業の脆弱性は我々の努力では如何ともし難い人知を越えた日本列島特有の地理的自然的条件によるものだ、等々と言う。

 

 要するに、〝だからこそ〟国家の自存自衛の食料安全保障上からも小規模な家族農業を生産者と消費者が手を携えて国民全体で手厚く保護していく必要がある、といった馬鹿話をまき散らしたいのである。

 

 如何にも尤もらしいこうした話しは、はたして本当のことなのであろうか。

 

 上で述べたように、農地中間管理機構(農地バンク)による集積面積がここ数年伸び悩んでおり、農地の利用集積(面的集積)が計画通りに進まず、さらなる規模拡大の障害になっている。しかしその理由は米国やオーストラリアのような広大な平野が存在しないからではなくて、土地所有が個々人の私的所有によって細分されているからである。一般的に広大な土地が農業に必要であるかどうかの問題では決してない。

 

 この狭い日本においても大規模で生産性の高い方法で農業生産を行うことのできる広大な平野や土地は数多くある。問題は地理的自然的条件にあるのではなくて、それらが地権者の小規模土地によって細分されて所有されていること、つまりこれらの土地が戦後の農地解放や農地法――それらの真の狙いは彼ら小土地所有者になった農民たちが当時高揚していた労働者の運動に加わって日本が「赤化(共産主義化)」されることを防ぐための防塁にすることにあった――によって、細かい小土地所有へとバラバラに裁断されているという社会的な要因にこそ問題があるのである。

 

 そしてこの問題の核心は、現在のブルジョア的な生産関係の法的表現でしかない「私的所有権」という権利、地球表面の1地片を家産として排他的に私的に所有できるという権利であって、この権利がもはや日本農業の発展にとって桎梏になってしまったということなのである。

 

 この「私的所有権」は長い人類歴史において永遠に変わらない神聖不可侵なものではない。それが個々人の基本的権利(「基本的人権」と同義だ)として確立されたのは、たかだか18~19世紀来の近代市民社会(資本主義社会)の始動を待ってのことであった。その意味からも、「私的所有権」とはまさに歴史的なカテゴリーなのだということ、このことをこの拙文を終えるに当たって強調しておきたい。

 

――引用完了――

 

『日本農業の現状と我々労働者の立場』はここをクリックすればお読みいただけます。

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