労働者党の第2回大会の決議第部を紹介します。 (2)


我々は17年総選挙をブルジョア支配階級に対する、安倍政権に対する原則的で、非妥協的な労働者の「政治闘争」として、そして特殊的には11区の自民党候補である小泉進次郎に対する政治闘争として、したがってまた一切のブルジョア党派やプチブル党派、 日和見主義党派やスターリン主義党派に対する「政治闘争」として位置づけて、一貫して闘い抜いた。


しかし安倍政権の仕掛けた政治的な課題はふざけたもの、いいかげんなものであって、客観的には、真剣な階級的闘争の課題さえはっきりしない、総選挙などとお世辞にもいえない無意味で、空虚なものに――そんな選挙のための費用は巨額の無駄遣いだ――堕したが、 その責任はあげて安倍にある。


安倍が10月総選挙に走った動機は、安倍の政権維持と延命の野望と意思にあった。 安倍は、このときにしか選挙に勝てない、来年暮の4年ごとの議員任期まで待てば待つほど、安倍政権の延命が困難になると信じたのである。

 

安倍は森友学園や加計学園事件で、政権の私物化や権力犯罪という究極の腐敗が暴露され、都議選では小池新党に完敗するなど、まさに崖っぷちに立っていたのだが、野党共闘 (民・共の野合) の愚劣なマヌーバーが行き詰まり――当然だが――、小池新党がまだ明確な形を取っていないこのときにしか総選挙で勝つときはない、勝つチャンスはないと判断し、賭に出たのだが、ある意味では安倍は正しかったのである。


事実、野党共闘は破綻し――この破綻は必然的であり、志位の野党野合路線の破綻を教えたのであって、単に前原が「裏切った」といった問題ではない――、また小池は権力をめざして挑戦することができなかった。 〝壊し屋〟小池――小池に〝存在意義があるとするなら、それはまさに安倍政権を「壊す」ことだけだったが――が腰砕けになると共に、安倍の圧勝はすでに決まったのである。


安倍は一か八かの総選挙の賭けに勝利することで、国家ぐるみの犯罪や国家の私物化を〝なかったこと〟にし、もみ消すことができたのだが、しかし安倍と安倍政権の犯した犯罪は事実であって「選挙で禊ぎが済んだ」といって済むことでも、終わることでもない。

森友学園については、籠池が提出した、財務省と学園側とのやりとりを納めた録音テープの存在を財務省が認めたことから、ほとんどただのような価格で土地払い下げをしたという疑惑についての新しい根拠が改めて明らかになり、国会でも新たな追及が始まった。


加計学園の獣医学部新設のスキャンダルは、獣医学部の必要性があるか無いかということに問題の核心があるのではなく、その認可が安倍の「ご意向」によって左右され、安倍一派の経営者に下りたという不正に、安倍とその一派の権力の私物化という究極の腐敗に、 権力犯罪にあるのであって、その罪は最後まで追及され、明らかにされて、安倍政権の責任が問われなくてはならないという問題である。


森友学園、加計学園事件の国家ぐるみの腐敗と権力犯罪がもみ消され、無きものとして通用するなら、仮にそんな結末に終るなら、労働者・働く者の怒りが再び熱く燃え上がらないという保障は何もない。


要するに、ブルジョア的に堕落してしまった共産党も民進党も、したがってまた野党共闘も、またもう一つの反動派、権力亡者として政権をめざした小池も、安倍政権を打倒するに足る実力も意思も戦略も何も無かったということである。