労働者党の第2回大会の決議第部を紹介します。 (7)




 我々の小選挙区での闘いは、安倍政権とその政治との闘いであると共に、特殊的に、11区の自民党候補者、小泉進次郎との具体的な闘いでもあり、我々は彼の「こども保険」という愚劣な政治もしくは「構想」をも執拗に、徹底的に暴露して闘い抜いた。


 小泉の提案は安倍政権にも受け入れられたかであったが、最終的には完璧に無視された。


 小泉の提案は、一言で言って、労働者の厚生年金などの保険料を引き上げ、それを財源に幼児教育無償化を実現、それでもって少子高齢化に立ち向かい、克服するといったつまらない思いつき、ピント外れのたわ言であって、労働者にとっては単なる反労働者的な妄想以外ではなかった。労働者なら、いくらでも社会的な負担を課してもいいといった、労働者を〝社会的余剰〟を生み出す単なる機械か道具としてしか見ていないブルジョアお坊ちゃんの、労働者を見下すエリートの御曹司の本質を図らずも露呈したのである。

 そもそも安倍にせよ、小泉にせよ、教育無償化で少子高齢化社会の困難が一掃できるなどと安易に、軽率に考えているとするなら、彼らはこの問題の深刻さを自覚しておらず、また何らまじめに考えていないのである。


 小泉は、自分の構想は、消費増税と違って容易に実現でき――つまり労働者の負担なら、簡単だというのである――、しかも安倍などの案のように借金しなくて実行でき、将来の世代の負担にならないのだから、最善最高のものだと自慢したが、しかし現役世代――しかも、富を生み出す労働者階級――の負担をさらに重くしつつ、将来の世代の負担の軽減も何もない。それに小泉は、安倍と共に、〝全世代型の〟社会保障論を自慢たらたら持ち回り、高齢者はもっと負担すべきと言うが、労働者に負担をもっぱらかけることとは矛盾している。


 要するに、小泉の幼児教育無償化の考えは、教育無償化によって少子高齢化社会という〝国難〟を克服するという、安倍の最低の愚策にもまさるとも劣らない、思いつきの空論――現実を知らない、気楽なお坊ちゃん政治家の観念論――でしかなかったし、これからもそうであろう。