プーチンがウクライナに対する侵略を開始。「ウクライナ侵略を徹底的に糾弾する」愛知支部の宣伝活動で配布しているチラシを紹介します。
プーチンのウクライナ軍事侵略糾弾!
★ウクライナにおける専制国家ロシアと米国・EU・NATOの抗争は覇権をめぐる対立が本質だ
★闘うウクライナ労働者人民、開始されたロシアでの反戦の闘いに連帯して闘おう!
2月24日に開始されたプーチン・ロシア軍によるウクライナに対する一方的な軍事侵略は、圧倒的な軍事力の差によって次第にウクライナ側が追い詰められつつある。しかし報道にあるように、大義なきロシア軍の士気は低く(捕虜になった若いロシア兵は、演習に行くつもりがウクライナに連れてこられたと証言していた)、プーチンの想定を超えるウクライナ軍の抵抗によって犠牲者が増大し、軍用車両の燃料不足などによってプーチンの思惑通りに事が進んでいないことに「イラついている」と報じられた。
状況は刻々と変化しているが、ウクライナの民間人や両国兵士の犠牲者が積み上がっていくような状況は一刻も早く収束されなければならない。
我々は、プーチンは直ちにおぞましい軍事行動を中止するよう要求する。ましてや、核兵器による恫喝や脅迫は世界をむき出しの暴力による抑圧と支配の時代に引きずり下ろすものである。人類がプーチンや習近平が支配する国家資本主義の専制国家と日本や米国などの資本主義国家の民族国家に分裂し対立する中で、共産党が金科玉条のごとく持ち上げる国連憲章などなんの抑止力にもならなかった。
崩壊した「ソビエト連邦」の幻影を追い求めるプーチン。歴史の歯車を逆に回そうとするプーチの試みは敗北する! ロシア国内で開始された〝戦争反対〟の動きはプーチン政権終焉の始まり。
圧倒的な軍事力によってウクライナに対する侵略を開始したプーチンの理屈は、自分自身も世界中の誰も納得する内容ではなかった。プーチンは「ウクライナにおいてロシア人がネオナチのゼレンスキー政権によってジェノサイド(集団虐殺)の危険にあった」「ロシア人を保護するため」と語ったが、プーチンこそがウクライナでジェノサイドを引き起こしている。
プーチンは1991年12月に崩壊した「ソビエト連邦」の幻影(プーチンはKGB=秘密警察のメンバーだった)を追い求め、「ソ連邦」の解体(ウクライナなど15カ国によって構成されていた)によって失われた「強いロシア」の復活をひたすら追求してきた。
民族紛争を理由にした2008年のグルジア(ジョージア)に対する軍事介入や14年のウクライナのクリミヤ半島併合とプーチンはひたすら軍事力を増強し、欧米各国に対して弱体な経済力(2020年世界11位IMF資料)を軍事力(特に核戦力)で対抗してきた。プーチンは「ウクライナ人もロシア人も同じ国民」「今のウクライナは共産主義時代のロシアが作り上げたもので、今や西側に操られている傀儡国家だと非難」し、西側に操られている傀儡国家を一掃するには軍事力を行使すると言う。しかしプーチンこそ、軍事力によってウクライナを奪い取りそこにロシアの傀儡国家を作ろうとしているのだ。
他国に対する軍事侵略の度に支持率を高めてきたプーチンであるが、今回のウクライナに対する軍事侵略はプーチンの命取りになる可能性がある。報道にあるようにウクライナ侵略以降、ロシア国内で反戦デモが各地で拡がりを見せている。2月27日現在でロシア国内の60以上の都市で抗議のデモが行われ5900人以上が拘束された。今後、ロシア兵の死者が増加しおぞましい大義なき戦争の実態が明らかになり、制裁によってロシアの人々の生活が困窮化すればプーチン政権に反対する闘いが燃え上がるだろう。
そしてそれが、プーチンのロシア軍と闘うウクライナの労働者人民との連帯した闘いに発展したとき、このおぞましい戦争を終わらせ、両国の労働者人民を抑圧支配する体制の根本的変革に向けての巨大な一歩になるだろう。
それに恐怖するプーチンは、より破壊的な兵器(核兵器の可能性もある)の使用をためらわないだろう。首都キエフを陥落させる為に包囲しインフラを遮断し野蛮な無差別攻撃を準備し実行している。
米国・EU・日本は〝経済制裁〟を発動しウクライナに武器供与を拡大
米国やEU、日本はロシアを国際決済網から排除する制裁を含む〝強力〟な〝経済制裁〟を発動した。第二次世界大戦でロシア(当時はソ連)やヨーロッパ各国を侵略した過去のナチスドイツを反省し、ウクライナに対する武器供与を拒んできた(最初はヘルメット五千個供与)ドイツも方針を転換し対戦車ミサイル、対空ミサイルの供与を開始した(そればかりかロシアの脅威に立ち向かうと軍事費をGDP2%に拡大することを直ちに決定した)。北欧各国もウクライナに対する武器供与を決定し、ロシアとの関係が深いトルコも、黒海と地中海をつなぐボスポラス海峡の軍艦の通過を禁止すると通告しロシアの国際的な孤立が進んでいる。強力な〝経済制裁〟や武器供与の拡大は、プーチンの理不尽な軍事侵略に対するウクライナの労働者人民の決死の闘いが背景にあることは間違いない。
ロシアの経済構造は輸出の中心が原油や石油製品天然ガスなどの資源を中心とした経済である。航空機産業やミサイルなど軍事技術に秀でた技術を有するがIT技術や半導体、コンピュータなど最先端技術においては遅れを取っている。〝経済制裁〟においてこれら最先端の製品の輸入が止められる可能性があるが、〝制裁〟に反対する中国を抜け穴にして導入することが十分考えられる。
労働者党は、資本家国家によって課される〝制裁〟がご都合主義的であると告発する。資本家国家による〝制裁〟がご都合主義の欺瞞であるのは、ロシア〝制裁〟の盟主=米国がこれまで繰り返してきた数々の他国に対する一方的な軍事侵略に対して(一方的な言いがかりでイラクフセイン政権を粉砕した軍事侵略を思い起こせ)日本やEUが〝制裁〟を呼びかけた事が一度も無かったからである。二十数年間に及ぶアフガニスタン占領が、再びイスラム原理主義タリバン政権の復活をもたらしアフガニスタンから無責任に逃げるように撤退したではないか。
第二次世界大戦後、ヨーロッパにおいて「ソ連」に対抗するための軍事同盟として組織されたNATOが、ソ連解体後も対ロシア軍事同盟として拡大し続け、ロシアに対する軍事的圧迫を続けてきたのは米国、西欧の列強である。「米国らは自由主義的帝国主義国家として自国の国家的利権、大資本の利益のために国家資本主義の軍事大国ロシアと対抗しているのである」(海つばめ1420号)。
自国を敵とみなすNATOの拡大が、プーチンのウクライナに対する軍事侵攻の口実を与えたのは確実である。
「国連憲章守れ」「侵略やめよ」の無力な呼び掛けでは闘えない!
共産党はロシアのウクライナ侵攻は「主権の尊重」「領土の保全」「武力行使の禁止」を義務付ける「国連憲章」に違反する侵略行為とし、「国際社会が、ロシアのウクライナ侵略反対の一点で団結し、侵略をやめさせることを呼びかける」(2月24日共産党声明)。「侵略をやめよ」「国連憲章を守れ」が共産党の主張の全てである。
ロシアの侵略を前にして「憲法9条」で国を守れるのかの論争が勃発した。共産党は「プーチンのような指導者が戦争を出来ないようにするのが9条」と全く噛み合わない議論を行った。安倍ら改憲派はこの時とばかりに、9条廃止や軍備増強(ドイツが行ったように)、米軍と「核兵器共有」によって抑止力を高めると叫んでいる。
ウクライナ侵略によって明らかになったロシアと米国・EU、日本の対立の本質は、ロシア(それを支える中国)の専制的国家資本主義陣営と米国、西欧、日本の自由主義的資本主義陣営の覇権争いである。どちらの体制も自国の労働者人民を搾取し抑圧する支配体制であることに違いはない。
我々は、共産党が主張する「侵略やめろ」「国連憲章」守れの〝一点〟で団結することはできない。そんなことは岸田も記者会見で言っているではないか。
我々が呼び掛けるのは、プーチン・ロシア軍と闘うウクライナの労働者人民への支持と連帯であり、開始されたロシアの労働者人民のプーチン政権に対する闘いが、ウクライナの労働者人民の闘いと固く結びついたとき、ウクライナの労働者人民に突如降り注いだ悪夢を終わらせる最も確実な方法であると呼び掛ける事である。同時にそれはプーチン政権の終焉をもたらすだろう。
もちろん我々の主戦場は日本である。我々は、対立の本質が世界の覇権をめぐる対立抗争である以上、自民党岸田政権の〝制裁〟の欺瞞を暴露し、中国の軍事的脅威に対抗する軍事力増強や対中・ロの軍事同盟強化の策動に対して反撃を組織しなければならない。
いっそう警戒すべきは、尖閣問題や北方領土をめぐる中・ロとの対決によって、簡単に挙国一致を作り出し民族主義と排外主義を生み出すことであろう。労働者党はいかなる時も、世界の労働者と連帯し資本の支配打倒のために闘う。
労働の解放をめざす労働者党愛知支部
(一部編集しています)