働く者のセミナー@松戸のご案内


賃金奴隷制からの解放のために
語ってみよう格差のこと、労働のこと

テーマ
経団連の「同一労働同一賃金論」を斬る!

日時:9月25日日曜日午後4時から7時まで

会場:松戸市民会館(松戸駅徒歩7分)
1階101会議室  参加費無料

是非、ご参加ください

主催  働く者のセミナー@松戸
テーマ
経団連の「同一労働同一賃金論」を斬る!

「同一労働同一賃金の実現」で、格差解消どころか貧困拡大

 格差が大きな問題となっています。国税庁調査では、2014年の平均年収は正社員478万円に対し、非正規社員は170万円。総務省の労働力調査では、2015年平均で雇用者全体の37.5%が非正規雇用。「デフレ脱却のために」と景気浮揚策が次々なされてきた結果が格差拡大という現実です。政策だけでなく経済のあり方そのものへの関心が強まっている現状です。

 格差は賃金格差だけでなく所得格差や教育格差、住宅格差、健康格差など、いたる部面に広がっています。総務省の2014年「家計調査報告」で貯蓄残高の世帯分布を見ると、平均値(1,798万円)を下回る世帯が67.6%、貯蓄残高100万円未満の勤労者世帯は前年比0.4ポイント増の12.4%、厚労省「国民生活基礎調査」2013年の統計では、「貯蓄がない」が20.5%でした。

 日本銀行の資金循環統計では2014年度末の家計部門の金融資産残高は約1700兆円なので、世帯数を約5000万世帯として計算すると一世帯当たりの金融資産は3000万円以上。資金循環統計には個人企業の金融資産などが含まれるということもありますが、著しい格差があることを示しています。「著しい格差は社会を不安定にするおそれがあり、格差の固定が閉塞感を生む」という指摘もあります。経済的な事情による犯罪が増加していますが、個人的な事情に解消できないでしょう。

 そういう中で、「一億総活躍社会」を掲げる安部首相は、「働き方改革」ということで、「同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃する」と息巻き、改革のポーズを見せています。長時間労働の是正や最賃引き上げ、高齢者の就労促進などにも取り組むと言います。格差の問題が賃金問題だけではないとはいえ、賃金が働く者の生活に決定的な影響があることをあいまいにして、あれこれ持ち出していますが、あれもこれもいい加減にしてもらっては困るのです。

 経営側の動きとして、経団連が「同一労働同一賃金の実現に向けて」という提言をまとめ、日本型の「同一労働同一賃金」を実現するべきだと、欧米との違いを強調しています。欧米にも格差があるのに、そんなことで果たして格差解消ができるのでしょうか。経営側はさらに格差を広げ固定化しようというのではないでしょうか。「格差解消」によってみんなの生活レベルを一層低くするということではないでしょうか。労働条件の悪いほうに「同一」にしていこうという結果になりかねないのです。「同一労働同一賃金の実現」ということでは簡単に改善できないのです。

 かつて西欧では「同一」をスローガンにすることによって労働条件を改善したり、働く者の団結が強まることもあったでしょうが、今や非正規雇用が4割存在する中で、経営に都合のいい「同一」ということによって、働く者の利害の不一致が拡大する事態になっています。

 格差の拡大・固定という資本主義の矛盾が深まる中で、資本主義の繁栄をめざそうという立場や資本主義の悪いところを直していこうという立場からの言説があふれていますが、私たちは賃金労働制―それは賃金奴隷制ではないのか―という生産関係の根底から、資本主義について問い直すべきだと考えています。


 セミナーでは参加者の方からも積極的に発言していただき、働く者の実際の置かれた状態を確認し合いながら、現実を根底から問いかけ、しっかり見定めて、改革の方向について考えたいと思います。
 ぜひご参加ください。