安倍首相は、シンガーソングライター・星野源のSNS動画に勝手にコラボする動画を投稿している。自宅のソファに腰かけ、足を組みコーヒーを飲んだり、本を読んだり、飼い犬と戯れたり、テレビを観たりして、コロナ禍を避けるために外出の〝自粛〟を呼び掛けている。自分のように外出を避け、自宅でくつろいでください、というのだ。
これを見て憤慨しない労働者はいないだろう。幼い子供を抱えている労働者・働く者の家庭では、保育問題は深刻だ。子供が家庭にいれば働くことが出来ず、保育所にあずかってもらおうとしても閉所で預けることが出来ない。開いている保育所では常に感染の危険と隣り合わせで、保育士も人手不足で激務をこなしている有様だ。
病院では医者や看護師も人手不足、医療機器不足で悲鳴を上げている。地域の保健所では毎日問い合わせの相談が殺到、感染者がわかれば、入院先の調査や搬送手続き、さらに山のような文書作成で忙殺、保健所で寝泊まりする状態に追い込まれている。日本では感染者が少ないと安倍らは自慢しているが、それは、感染者がでれば病院の確保、治療が必要になり、感染判定検査(PCR)絞り込んできたためであり、またクラスター対策を優先し、感染者を調査し、症状に応じた対応をおこなうことをないがしろにしてきたためである。
安倍政権は、感染防止に真剣に取り組むのではなく、検査を徹底せず、日本は米国やイタリア、スペインに比べて感染者が少ないかに言い、政府の無策を覆い隠してきた。そして、ここにきても外出〝自粛〟だ。
安倍は、自宅で優雅にくつろぐ姿を見せ、気楽に自分が手本とばかりに外出〝自粛〟を呼び掛けるが、労働者・働く者の生活、保育所や医療現場で苦闘している現状を何一つ理解していないし、見ようとしていない。
安倍政権の姿勢は、敗戦直後のインフレと食糧難の時代、食料を求めて皇居に多くの労働者のデモ隊が押し掛け、その中に「朕はたらふく食っているぞ、汝臣民飢えて死ね」という戦争責任を取らず居座る天皇を糾弾の筵旗があったことを思い出させる。
労働者・働く者は団結し、安倍政権打倒の闘いに立ち上がろう。(T)