労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

腐敗政治との闘い

安倍・菅政権の戦犯者の権力争い──始まった自民党総裁選

安倍・菅政権の戦犯者の権力争い

──始まった自民党総裁選

 

自民党総裁選の立補者が決まった。立候補者に名乗りを上げたのは、河野行政改革、ワクチン接種担当相、岸田前政調会長、高市前総務相、野田幹事長代行の4人である。いずれも安部・菅政権の閣僚として政権を支えてきたメンバーである。

 

河野は「実行力・突破力」を看板にアピールしているが、菅政権の下での新型コロナ準備・接種の立ち遅れ、混乱についての責任については口を閉ざしている。かつて、「脱原発」や「女性天皇制」容認など「改革」派を名乗ったことはあるが、保守派の反発を意識してか、「女性天皇」については封印、「日本の一番の礎になっているものが、長い伝統と歴史と文化に裏付けられている皇室」と天皇の意義を強調、原発についても「安全が確認された原発を当面は再稼働させていく」と方向転換した。その一方では、安倍への批判派である石破の協力をとりつけるなど、自民党の〝新しい顔〟をアピール、総裁の座を獲得しようとしている。

 

こうした河野の行動は、小泉純一郎(小泉進次郎の父親)を思い起させる。

 

 かつて金権腐敗で自民党が世論の激しい批判にあっている中、小泉は「自民党をぶっ壊す」と言って首相となったが、「自民党をぶっ壊す」どころか、非正規労働者の容認など新自由主義政策の導入、日米安保体制を強化し、米国の中東への軍事介入への協力などを行ったのである。

 

 河野は、防衛相の時には沖縄辺野古基地建設を推進したし、岸田、高市も軍拡路線では皆同じだ。岸田は、自衛隊の憲法への明文化、緊急事態事条項など4項目の憲法改定、敵地攻撃能力の保持を掲げ、高市に至ってはミサイル攻撃などを受ける前に敵地攻撃を無力化する能力を持つことは必要と先制攻撃のための軍事力整備を謳っている。

 

 安倍政権の下で内閣人事局がつくられ、官僚の人事権を官邸が一手に握るなど権力の集中が行われたが、森友・加計学園問題、「桜を見る会」問題など権力の私物化、それにかかわる公文書の改竄など安倍・菅による権力犯罪の未解決問題については、いずれの候補も「再調査」は不要とのとの態度だ。

 

 安倍・菅政権よる強権政治の下で、政治腐敗、軍備増強が進んだ。そしてまた労働者・働く者の生活もますます酷くなった。「格差社会」と言われるように、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなった。新型コロナが「格差」をもたらしたのではなく、それをさらに拡大したのである。

 

 いま問われているのは、破綻した自民党政治を根底から打倒していく労働者の階級的な闘いである。  
  (T)

政府の棄民策──アフガン、日本の現地スタッフ置き去り

  政府の棄民策、今も昔と変わらず

──アフガン、日本の現地スタッフ置き去り

 

8月31日、米国政府はタリバンとの約束通り、アフガンからの米軍の撤退が完了したと発表した。しかし、タリバンの野蛮な〝報復〟を恐れ、国外に移住を望む多くのアフガン現地スタッフや住民が取り残されたままである。

 

  とりわけ、日本の〝救出〟行動の立ち遅れが目立つ。政府が自衛隊機派遣を決めたのは8月23日、アフガン政権が崩壊してから8日もたってからである。バイデンは、アフガン政府があっという間に崩壊、政府軍も何の抵抗もなくカブール空港周辺はタリバンに占領され、思うような救出が出来なかったと言い訳したが、日本政府はすべて米国任せで自主的になにも主体的に準備していなかったのである。

 

結果、31日に岸防衛相は自衛隊機の撤収を発表し、自衛隊機が運んだのは、日本人1人と、米国から要請を受けたアフガン人14人、僅か15人にとどまり、日本大使館や国際協力機構の現地スタッフとその家族約500人は取り残されることとなった。

 

  一方、日本大使館員12人は全員、政権崩壊後2日、英軍機で脱出しているのである。大使館員が早々と国外に脱出したということは、大使館が危機を察知していた証拠である。にも拘わらず自分たちの安全さえ確保できれば、これまで協力していた現地のスタッフのことなどどうなっても構わないということか。恐るべき無責任というしかない。

 

  こうした政府の態度は、戦前から一向に変わっていない。戦前には、満州に100万戸の移住計画を立て、27万人の満蒙開拓団が送り込まれた。現地に行けば農地も家もあると言われたが、実際には中国人から軍が収奪したものであった。

 

開拓団は日本がでっちあげた「満州国」へ送られ、食糧増産、農業建て直し、さらには満州防衛の役割を担わせた。そして、彼らは敗戦時には「居留民はできる限り定着の方針を執る」とされ、また「満鮮に土着する者は日本国籍を離るるも支障なきものとする」とされたのである。

 

国策として満州に送り込まれた開拓団民は、敗戦によって余計者として国から見放され、「棄民」とされた。国から見放された開拓団員たちがいかに悲惨な状況に貶められたかは、敗戦による逃避行で8万人が命を失い、数多くの幼子たちが中国に置き去りにされたことにも示されている。(以上、寺沢秀文、「満蒙開拓の『真実』」、朝日8・31参照)

 

 アフガンに取り残された500人もの現地スタッフも「棄民」そのものである。彼らは、「民主的」国家を建設するという日本政府の呼びかけで、教育や保健、生活指導などの分野で活動してきた。現地に取り残された彼らは、米国を中心とするアフガン駐留軍への積極的協力者として、報復を受ける可能性は大きい。

 

既に、駐留軍の通訳であった者とその家族は〝裏切者〟として惨殺されたという報道もある。身の危険を感じて出国を望むアフガンのスタッフに対して、政府は責任をもって対応すべきである。

 

 アフガン政府崩壊後の状況を予測して、韓国のように素早く何百人もの国外移住希望者を外国に送ることに成功した国もある。しかし、日本の政府は、大使館員だけは早々と国外に脱出させておきながら、現地スタッフのことはまじめに考えていなかったのだ。さんざん協力させておきながら、後は置き去りとは満州開拓団と同じではないか。今の政府のやり方は、戦時中の政府と何も変わってはいない。

 (T) 

腐敗堕落を深める菅政権を明るみにする総務省接待事件

腐敗堕落を深める菅政権を明るみにする総務省接待事件

労働者大衆は直ちに菅政権打倒の烽火を掲げなければならない

 

 総務省の高級官僚らが、利害関係のある業者「東北新社」と「NTT」から接待を受けていたことが「週刊文春」によって報じられ、資本家、政治家、官僚等ブルジョアのとどまるところを知らない腐敗が、またまた明らかにされている。

それは、菅首相の長男正剛氏が係わる東北新社との問題であり、菅政権が看板政策の一つとする携帯料金値下げに係わるNTTとの問題である。菅首相と菅政権が直接係わる権力の私物化、腐敗・退廃を如実に示している。労働者・大衆は彼らにその真実を明らかにすることを要求するとともに、この虚偽で塗り固められた菅政権打倒の闘いを強めていかなければならない。

 

菅首相と総務省、長男正剛氏、そして東北新社が絡む腐敗した接待事件

 

 東北新社の接待の実態と目的は、この間の報道や国会の質疑、総務省の調査で明らかにされつつある。東北新社が20167月から202012月に総務省の衛星放送業務を担当する山田内閣広報官(当時総務審議官)、谷脇総務審議官、吉田総務審議官、秋本情報流通行政局長、湯本大臣官房審議官や総務省幹部13人を延べ39回にわたり高級料亭で接待を行い、そのほとんどに菅首相の長男正剛氏が参加していた。接待を受けた幹部らは、全員が「相手が利害関係者と思わなかった」と言っているが、そういわなければ利害関係者が費用を負担する接待を禁じている「国家公務員倫理規程」に反する行為となるからである。

東北新社は、テレビ番組・CM制作、BSCS放送事業、映画製作などの放送関連会社である。総務省が旗を振る4K放送への参入による衛星の運営会社に払う衛星料金の低減、衛星放送への新規参入の拡大のなかで利用者が多いBS右旋のスロット(電波周波数の帯域幅)への進出などで、衛星放送の許認可権を持つ総務省に有利な便宜を図ってもらいたい狙いがあり、また、BS4K放送「ザ・シネマ4K」の認定では、申請時(201610月)で放送法施行規則の外資比率20%を超えていたが、それを見逃して認定してもらいたい明白な動機があったことなどが明らかにされている。

 この接待の積極的な役割を担っていたのが、菅首相の長男正剛氏である。菅首相は、贈賄の役割を担った長男を、自分と切り離したいのであるが、長男の東北新社での役割は深く菅首相とかかわっている。2006年に菅は総務大臣に就任すると、大臣の権限で任命できる大臣秘書官に長男をつけた。菅首相は、「ルールをもとに秘書官にしている」と国会では反論しているが、菅首相の選挙を手伝った経験しかない長男の秘書官就任は、縁故就職そのもので権力の私物化以外のなにものでもない。総務省を辞めた後の東北新社への就職は、お決まりの利害関係のある業者への「天下り」である。東北新社は総務省出身で首相の長男である正剛氏を徹底的に利用し、正剛氏自身は東北新社で会社の役員で部長という有利な待遇を得て、自らの人脈を活用し接待をして会社のために尽くした。総務省の官僚は、東北新社の意図を汲んで、接待を受けたのである。

東北新社中島社長は、正剛氏は「総務省との接待の要因のためにいたのではない」、官僚らは「懇親会」「意見交換」の会食で「相手が利害関係者と思わなかった」、武田大臣は「放送行政自体がゆがめられているとは一切考えていない」、正剛氏の影響は「確認できなかった」、菅首相は長男は「全くの別人格」などと言い、会社、官僚、武田大臣そして菅首相は、接待の事実を隠蔽したのである。

外資違反を巡る問題では、東北新社社長が外資違反を総務省鈴木電波部長に報告したのに、国会の参考人招致で鈴木電波部長は「そういった報告を受けるという趣旨であった記憶はございません」と言い逃れ、そのとき同席した武田大臣は「記憶にない」との答弁をそそのかし、彼らは虚偽答弁の内幕を暴露するものになったのである。

 

菅政権と総務省、NTTが絡む接待事件

 

 NTTグループ幹部からの総務省との接待は、週刊文春が谷脇総務審議官に3回約58万円、山田内閣広報官(当時総務審議官)に1回約30万円と報じ、総務省の調査で、谷脇総務審議官、巻口国際戦略局長が、NTT側から20182020年に少なくとも4回、計15万円超の接待を受け、秋本前情報流通行政局長(当時総合通信機基盤局電気通信事業部長)と鈴木事務次官(当時総務審議官)の2人が、NTTの澤田社長と2018.11.8に会食したことを認めた。

NTT側がこの総務省を接待した理由として考えられるのが、菅首相が政策に掲げる携帯料金引き下げと、NTTが求めるドコモ完全子会社化である。菅首相は、官房長官だった20188月に携帯料金は4割程度下げる余地があるとし、所信表明演説でも携帯料金値下げに言及し、菅政権の看板政策の一つとして、大衆の支持をかすめ取ろうとした。

値下げの推進力のような役割を果たした谷脇氏は、国会でNTT側との会食が応分負担と主張したが実際は5千円1回を払っただけであり、「支払った記憶だった」「5千円と提示されのたで相当だと思った」と言い訳をした。NTT澤田社長は、「値下げは事業者の戦略。私が料金の話を出すことはない」、利害関係が明らかな総務省を高額接待することを「賄賂に当たるとは考えていない」などと言い逃れた。接待の場で話さなくても、別の場で「意見交換」することはいくらでもできるのであり、客観的に賄賂に当たるのである。

また、週刊文春は、201711月~20209月に野田幹事長代行と高市衆議員(当時総務相)、坂井官房副長官と寺田衆議員(当時副大臣)の4人に、延べ6回の接待をNTT澤田社長が行ったことを報じた。野党が求めた彼らの国会への参考人招致を、自民党青木党筆頭理事は、「週刊誌報道だけで国会議員を招致することは、国会の権威を傷つける」といって拒否したが、これまでその週刊誌報道で報じられた接待をすでに総務省と本人らも認め、しかも、野田らは「接待ではない」と言いながら、不足分をNTTに返しているのだから、言い訳に過ぎないことを自ら語っている。「国会の権威を傷つける」というなら、彼らこそが国会を「おしゃべりの場」としているのである。

ドコモ完全子会社化は、菅首相の提唱する料金値下げ密接に絡んでいる。ドコモは携帯大手3社の中でシェアの低下が続き、収益で3割に落ち込んで、反転攻勢が課題であった。NTTは値下げを実現するために、ドコモ完全子会社化によってこれまで株主に配当していた利益を会社に取り込もうとしているのである。そして完全子会社とするには、総額4兆円の株式公開買い付けで、一般投資家株式を買い取る必要があり、NTTはその資金を国や銀行の融資に頼らなくてはならない。NTTの株は3割以上国が保有し、政権と政府に密接な関係があり、値下げおよび完全子会社化を巡って総務省の有利な計らいが必要だったのである。

菅政権は携帯料金の値下げを掲げるが、格安スマホや格安SIMがあり、わざわざ菅政権が携帯値下げにしゃしゃり出ることはない。自由主義政策を標榜する菅政権にとっては、値下げは矛盾する政策である。菅政権は、むしろ規制を撤廃し、競争原理によって、料金値下げを実現する環境を整備すべきなのである。料金値下げの提唱は、大衆受けを狙った政権維持のための姑息な政策で、政策の私物化の何ものでもない。

もっとも、競争で料金を引き下げるといっても、それぞれの携帯電話会社が、「基地局」や「交換機」といった通信設備が必要となり、同じ空間にこれらが林立すればかえって費用が課題になるという非効率が生まれる。通信設備などを資本としてではなく、社会的共有生産財として設けられれば、値下げの本来の意味となる必要に応じた設備となり、携帯電話は効率よく労働者大衆に提供されるであろう。

菅政権は、そして菅政権に腰巾着のようにくっ付いている維新などは、「既得権益の打破」といって大衆の支持を得ようとするが、最大の既得権益は私有財産であり、金や生産財、土地などが資本や金持ちに私有され、既得権益となっていることを黙して語らない。「既得権益の打破」というなら、私有財産こそを全労働者・大衆、すなわち社会の共有物とすることであり、それは労働者・大衆が目指す社会主義社会である。

 

菅政権、官僚、資本家の腐敗は、労働者・大衆の菅政権打倒の闘いで一掃を

 

東北新社問題もNTT問題も官僚、および政治家への接待事件であり、菅政権および菅首相本人が深くかかわっている。資本家、政治家、官僚は一体となって、資本の支配の維持を図り、自分たちの権益を守っている。実務では、資本家に雇われている技術者が実務に精通し、官僚は行政のためにもその知識が必要であるが、資本家もその技術を通して会社に有利なような働きかけをすることになる。資本家の利益を貫く政策を政治家が担うことになる。また、技術の基礎となる科学的知見を有する学校などの研究者が、この構造に絡んで、支配階級のヒエラルキーが形成される。こういう構造では、実際的にも互いの知識・技術・科学的知見を「意見交換」する必要も生まれるが、彼らがお互いに便宜を図りあい、そこに金に絡む贈収賄などの犯罪が必然化し腐敗が生まれる。そして、資本が技術革新で利益をあげることが困難になっている資本の行き詰まりは、利益を追求するために官僚、政治家と資本との結びつきが生まれる、腐敗腐朽の根源である。

今日の東北新社問題およびNTT問題を巡って明らかにされた、官僚の目に余る腐敗・堕落を見るにつけても、官僚が身分の安定と高収入(高額接待を受けた谷脇元審議官の退職金は5千万円という)という特権に甘んじることができる資本主義社会を告発せざるを得ない。我々はここでも、「古い官僚装置を粉砕しこれを同じ労働者と勤務員からなる新しい装置でおきかえる」コミューン原則の必要性を痛感する。「彼らの官僚への転化を防ぐために、選挙制だけでなく随時の解任性、労働者の賃金を超えない俸給、すべての人が統制と監督の職務を遂行し、すべての人がある期間「官僚」になり、したがってまた、だれも「官僚」になれない状態へただちに移行すること」(『国家と革命』レーニン)である。これは、すでに労働者が権力を掌握した社会主義社会でのことであるが、我々はこのような社会をめざさざるを得ない。

国会でののらりくらりとした嘘偽りで野党の追及をかわしている菅首相、武田大臣、官僚、NTTや東北新社の社長のやり取りを見ていても、国会が「おしゃべりの場所」になっていると言わざるを得ない。しかし議会は、「支配階級の主要な支配形態」となっており、また諸階級の「主要な闘争舞台」でもある。「ブルジョア議会の議員となってはじめて一定の歴史的条件にもとづいて、ブルジョア社会と議会制度とに対してたたかうことができる」。われわれは、「労働者党が、このブルジョア民主主義体制のなかで選挙闘争に参加する必要性」(『労働者派・社会主義派の代表を国会へ』)を認める。われわれはこのような展望をもって、現在の政治課題として、腐敗堕落を深める菅政権打倒の闘いを強めていかなければならないのである。
(大阪・佐々木)

 

連座失職で終わらせるな!——河井夫婦巨額買収事件

≪広島の現地から

 

連座失職で終わらせるな!——河井夫婦巨額買収事件

 

買収の罪に問われた参院広島選挙区の河井案里陣営の選挙管理者にたいして、最高裁は11月25日付で上告棄却の決定をした。執行猶予付きであれ連座制の対象者に対して懲役刑が確定したことになり、形式的な連座訴訟を経て、案里は議員失職することがほぼ確定した。

 

今回の事件は、ウグイス嬢に対し法定の上限額の2倍にあたる1日3万円を支払ったというものであった。他の陣営が何らかの形でこっそりと行っていることを、二重領収書といったあけすけな形で行っただけのようにも見える。しかしこの裁判を通じて、些細なこととは言えない事実が明らかになった。それは、当時法相であった夫の克行が陣営の総監督であったこと、その彼が県北への挨拶回りの際、制限時速80キロの中国道を秘書に命じて120キロを上回る速度で走らせたうえ、警護のために後続していた県警のパトカーからの注意を無視して走らせ続けたことである。

 

克行は、安倍の首相補佐官から菅の抜擢を受けて法相に成り上がったが、成り上がった途端に法の番人たる役柄など忘れさり、逆に役柄を利用して率先して法を破ったのだ。まさに安倍・菅政権のエゴイズム的体質の体現者だ。県警は、いまだにこの件について確認中と言うばかりで立件さえしていない。停車させて一発赤切符が当たり前だろう! 忖度どころか、相つるんだ権力自賛というものだ。

 

事件の本体である河井克行・案里夫婦による巨額買収事件について見ると、案里は執行猶予付きの、克行は執行猶予なしの有罪という流れが加速している。というのも検察は、被買収者である地方議員や後援者に対しては立件しないと約束することで、夫婦が有罪となるような証言を多々引き出しているからだ。司法・検察は、自ら法律化した司法取引に基づくこともなく、被買収者との“裏”取引で有罪に持ち込むことに熱心だが、そこにあるのは三権分立のポーズであり、ただの保身にすぎない。

 

この事件の根本的な問題は、発覚しているだけでも夫婦で合わせて県内の約百人、約3千万円もの現金が買収費用として支出され、しかもそれが自民党本部からの政党交付金で賄われた点である(案里陣営には破格の1億5千万円)。これは単なる買収ではなくて、労働者・勤労者の税金を元手にした買収であり、その私的流用なのである。かつて案里は県議時代に、藤田元県知事の知事選での議員への買収疑惑を追及してその名を馳せたのであったが、藤田の買収費用は少なくとも自分のカネであった。金権選挙の弊害をなくすための選挙の公営と謳われた政党交付金が、今回は堂々と買収費用に使われたのだ。

 

案里陣営だけではない。対立した自民党の溝手陣営も、有力県議の所属支部に50万円を振り込んだほか、複数の広島市議にも活動費名目での現金提供をもちかけていた(法に触れるということで止めになったが)。これらも溝手が受け取った1千5百万円の政党交付金から賄われたに違いない。これら多額の買収費用が政党交付金から支出されたとすれば、選挙の公営どころか、現在の自民党の政治支配はカネで買われたものということになる。安倍や菅の政治支配の正当性は根底から揺らがざるを得ないのだ。だからこそ、自民党本部からのカネの流れの解明こそがこの買収事件の根幹なのである。夫婦の両事務所がひたすら昨年の収支を不明とするのもそのせいだ。この買収事件は河井夫婦の議員失職だけで終わるものではない。

 

事の重大さに気づいてか、ただの忖度か、検察は自民党本部の強制捜索を放棄して恥じない。われわれ労働者は、まずは司法・検察に対して自民党本部への強制捜索を行ない買収資金の出所について明らかにするとともに、法に沿って被買収者への立件を行えと要求するが、それとともに政党交付金や供託金制度をはじめとする不平等な選挙制度をただちに廃止せよと要求する。 (広島   IZ)

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