愛媛の地で奮闘する仲間からの投稿を紹介します。(担当)
外国人労働者との階級的連帯こそ真の共生社会への道だ
ーー愛媛県の「部落問題に取り組む教師達の会」での議論
「狭山事件の石川一雄さんの講演会があるので参加せよ」と大学時代の先輩から電話があり、後輩の私は律儀に参加。以後、講演会を開催した「部落問題に取り組む教師達の会」に毎月参加して30年近くになる。会は部落問題に関心があれば教師でなくても参加でき、会則で「来るもの拒まず、去る者追わず」である。開始は19時30と決まっているが、部活指導を終え21時に駆け付ける会員も多い。不登校の生徒を毎朝迎えに行き、新型コロナで休校中は自主的に生徒宅を訪問してきた会員もいる。
今月(3月)の会では3/9付けの地方紙の記事「地域の担い手多角的支援」が配布された。記事は①市に技能実習生や特定技能など4500人の外国人が暮らしている。②市は共に地域を支える担い手として共生社会の推進を打ち出している。③市は具体策として、18歳以上の外国人にアンケートを実施し、生活面での不便(医療機関での意思疎通困難、子どもの通う学校からの書類が漢字だらけで難しい)の訴えを得た。④前項を踏まえ、医療・防災などの情報を英語・中国語・タガログ語(フィリピン)など8か国語で発信するアプリを東京の外国人支援に取り組む企業と連携して開発、実証実験を開始した。⑤学校で2026年度から教員の発言を同時通訳しタブレットに表示するAIサービス導入を市が予算化した。⑥市は「人口減少が進む中、外国人への支援と、日本人との相互理解の意義も増している、地場産業や地域コミュニティーを維持するためにも外国人との共生は大きな意味がある」(以上記事要約)。
私は、記事のサブタイトルは「技能実習生ら外国人4600人が暮らす市」だが、記事に取り上げられた「外国人」夫婦(写真掲載)とは男性はドイツ人で造船会社に10年前から勤務、配偶者はフィリピン女性。「子どもは校区の学校に通い、近隣住民が祭りにも積極的に誘ってくれ孤立感など感じることなく充実した日々を送っている云々」とある、技能実習生についてはこの記事では触れられていないのが残念だ、と感想を述べた。
これに対し、会員のある教師は、サブタイトルは技能実習生「ら」とあり、外国人労働者として家庭を持つ人を取り上げ、市の共生社会を目指す取り組みを紹介している記事であり、技能実習生にあえて触れなくても違和感はない、定住せず本国に数年で帰国する外国人と定住外国人は区別が必要だ、数年の滞在であっても地域の輪に入る人とそうでない人もいる、輪に入るにはルールに従ってもらうことが前提だ、と語った。
私は確かに市の取り組み記事としてはそれで良いかとは思ったが、2019年に市内の造船会社社宅に住む中国人労働者への酷い掲示板内容について話した。
社宅管理人と思しき方はごみ回収箱に「このバカめ、何べん言うたらわかるんぞ!ちゃんと入れろ」と殴り書きをしていた。言葉の壁が埋められず、意図が伝われないもどかしさはあっただろうが、「共生社会」を志向する態度など微塵もないのは確かだ。労働現場でも同様の対応がなされているのではないか、と発言した。
また、関連して私から「外国人の子どもへの教育、親への学校からの文書等はどんな配慮をしているのか、この記事には漢字が難しいとのアンケート回答があるが、担任の努力にまかされているのか」と質問した。
会員の小学校教師からは「外国人家庭の子どもの日本語習得は学校教育を通じて発展していく、数年で親より早く習得し高学年になれば書類も生徒から親に説明できるようになるし、低学年では学年全体で配慮した書類作成をすることもある」と頼もしい返答があった。
昨年8月全国4市が国際協力機構(JICA)のホームタウンに認定され、市はアフリカのM国を受けいれることになった。しかし「移民が増え治安が悪化する」などの誤情報が広がり、他の三市同様に市に苦情(電話1000件以上と報道)が殺到する事態となった。
JICAは一か月後に「ホームタウン構想」を撤回。市も受け入れ中止を発表した。参政党などの外国人労働者への配慮に欠けた排外主義的主張に影響された市民の声に押された形となった。
地元紙の記事はこのホームタウン計画の撤回が念頭にあったと思われる。記事要約の⑥では外国人との「共生」をめざす必要性に触れている。しかしそれは地場産業(市には生産高全国一位の造船会社本社があり、人口減による労働者不足対策としてベトナムをはじめ外国人技能実習生を多数雇用)発展のための、利潤獲得を目的とも動機ともする資本の立場からの「必要性」である。
労働者にとって「必要」なのは、国籍を超えた労働者同士の階級的な連帯である。言葉の壁や習慣の違いなど困難はあろうとも、労働によって生活を支え、社会を支えている仲間として絆を強め、団結を深めていこう。愛媛F.Y
