労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

投稿の紹介

世界は帝国主義的分割の時代に突入か

党員のMさんからの投稿を紹介します。

 

世界は帝国主義的分割の時代に突入か

―台頭する中国と衰退するアメリカ

 

今、マスコミなどでほとんど言及されていませんが、ウクライナと中国との今後の関わり、また、この戦争を機にした世界の戦後体制の再編成、帝国主義的世界の再分割も考えていく必要があると思っています。

 

ウクライナは中国の巨大経済圏構想、一帯一路の拠点の一つであり、ウクライナの最大の貿易相手国は中国です。EUの加盟国27ヶ国うち(そのうちの15ヶ国がNATO加盟)18ヶ国が「一帯一路」の加盟国で、中国は中欧投資協定に全力を投入してきました。ロシアにとっても最大の貿易相手国は中国です。

 

「『一帯一路』を推進する習近平には中華帝国の影響力と版図を歴代のどの帝国よりも拡大する野望が見え隠れする。アラブ半島やアフリカ、ヨーロッパ諸国を属国化する勢いで経済圏を構成し、さらには太平洋にも軍事的影響力を及ぼし、台湾併合を自分の代で実行しようとその機会を窺っている。」(「世界」臨時増刊「ウクライナ侵略戦争)15ページ)

 

「アメリカから制裁を受けている中東諸国では中国との石油取引に人民元を導入する方向で既に動いているが、ロシアとの石油や天然ガスの取引が非ドル化されることにより、石油取引のドル基軸からの離脱の素地を創り出す側面は否めない。おまけにロシアの貿易の40%ほどはEUが相手だったが、そこが封鎖されて主として中国に回って行けば、中国を中心としてアジア・ユーラシア大陸に非欧米型経済ブロックが形成されていく可能性を秘めていることになる」(「ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略」遠藤誉、11ページ)

「対露SWIET制裁は脱ドルとデジタル人民元を促進する」(同、65ページ)

 

こうした見解はともかく、中国は「一帯一路」構想のもとに世界でますますその存在感を増して台頭してきています。今は世界第二位の中国の経済力はアメリカに、いつ追いついても不思議ではない。ますます強大化、帝国主義化しつつある中国を軸にして世界の再編成がなされようとしています。中国の台頭、アメリカの衰退の中で、ロシアの利益をいかに守り拡大するかがプーチンの課題となっていました。

 

かって、レーニンが述べた「世界の再分割」、世界の帝国主義的支配の再分割・再編成、「現状変更」の時代への再突入したのではないでしょうか、ロシアによるウクライナ侵攻はこのことを教え、告げているのではないかと思います。(M)

 

南京大虐殺を否定する反動派の「歴史戦」を見よ

―ロシア侵攻の犠牲者を語る資格なし

 

 自民党・産経新聞などはロシアの事実隠蔽をいうが、彼らは南京虐殺、従軍慰安婦などを「歴史戦」(20144月より産経新聞の特集として組まれた一連の記事。阿比留瑠比によって書籍化され同年10月に産経新聞出版から出版された)で「事実隠蔽」してきた。

 

この「歴史戦」について元労働者党代表の林さんが、「海つばめ」1243、1244号、2015年1月25日、2月8日号に「反動派の『歴史戦』とは何か」で書いています。

 

「彼等は南京大虐殺や性奴隷化問題で、まず数字を問題にするが、まず確認されるべきは数字である前にその事実である。」「植民地朝鮮の、物言わぬー言えなかったー若い女性の性奴隷化を前にして、数字の誇張など言うべきでない、あるいは事実を明確に認め、その犯罪性を明らかにすることが先で」ある。「“慰安婦”の人格を最初から全て卑しいものであるかに語ったり、証言はすべて口から出任せであるかに言いはやすことの方がよほど、人格が低劣で卑しいことではないのか」。

 

産経新聞などが散々語ってきた論理によれば、今のロシア侵攻による市民の犠牲者の報道はその犠牲者の数が、正しくなければ、もしその人数が多く発表、報道されたりすれば、南京虐殺と同じく幻で、この事実そのものも半ばなかったことになるのである。彼らの論理でいえば数が不確かであれば事実は事実でなくなる。(M)

人間の本源的な集団性(社会性と共同性)

『海つばめ』読者より、「人間の本源的な集団性(社会性と共同性)」についての論考が送られてきましたので紹介します。

人間の本源的な集団性(社会性と共同性)

 

 最近非常に興味深い事実を知った。昨年TVを観ているとある動物学者が次のように言うのである、「あらゆる動物(特にメス)は生殖機能が失われると種の存続のために無意味となった個体として長くても半年のうちに寿命が尽きるのだけれど人間だけはそうではない、人間はたとえ生殖機能をなくし種の存続にとって必要のない個体であろうと長寿で、その生命に最大限配慮しながら寿命を全うさせている、これはどうしてなのか自分にもよく分からない」、と。

 

 確かに、昨年10月に102歳で亡くなった私の連れ合いの母親は命を燃やし尽くした大往生だった。現生人類(ホモ・サピエンス)が最後の氷河期(115000年前~15000年前、現在は間氷期らしい)の厳しい気象条件を乗り切って生き延び、彼らよりも大きな脳とたくましい筋肉を持ち二度の氷河期を生き延びたネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)が地球上から消え滅びてしまったのは遥か昔から我々の遠い祖先たちが集団で暮らすことの重要性を知っていて、その中で「社会性と共同性」を育んできた結果なのではなかっただろうか、と私は思う(「一人の天才より三人の凡人」という故事がある)。

 

 人間の言語能力の獲得(言葉は自分では考え出せなくても互いから学ぶことのできるシステムの好例だ)、複雑な顔の表情筋の働きによる感情豊かな顔の表情、視線が何処を向いているのかが相対している人に分かるようなはっきりした瞳と白目部分の違い(動物界では視線の向きを相手に悟られることは自らを危険にさらすことになりかねない)等々、これらはすべて人間の本源的な集団性(社会性と共同性)の副産物、集団生活を送る上でお互いが円滑にコミュニケーションを行う必要性から生み出されたものだと考えられる。

 

 マルクスは「人間は歴史的過程を通じてはじめて個別化される。彼は本源的に一つの類体、種族団体、群棲動物として・・・現れる」(『経済学批判要綱Ⅲ』)と言い、「猿に近いわれわれの祖先はもっとも群居的であった」(『猿が人間になるについての労働の役割』)とエンゲルスも述べている。

 

 他人との接触がない孤独は人を病気にし寿命を縮めるとも言われるのは少しも不思議ではない、人間は他者との一体感と交流を何より欲する、とにもかくにも我々は心の繋がりを強く渇望する動物なのであり、約20万年前にホモ・サピエンスが地球上に現れて以来お互いが繋がるように進化してきたのだということ、そうした「社会性と共同性」の強い繋がりの中で他の動物には見られない生殖機能が失われて種の存続にとって無意味な個体ですら長生きできるようになったのはあるまいかと私は思っている。かの動物学者は我々が本源的に持っている集団性(社会性と共同性)について深く考えるべきだった。

 

 我々人間のDNAにそういった遺伝子が組み込まれており、そのおかげでホモ・サピエンスが今日の隆盛を極めていることを考えれば、社会生活のなかで心に傷を受け他人との触れ合いや繋がりを好まず引きこもっている人や職場でのパワハラ、子供のいじめなどのギスギスとささくれだった今日の人間関係は分断と格差の拡大する優勝劣敗の―――「子供を産めなくなった年配の女はもはや女性とは言えない」とか、「子供を産めない女は非生産的だ」と言うような―――現代の資本主義社会がいかに深く病んでいるのかを改めて我々に思い知らせてくれている。  (広島   M

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