労働の解放をめざす労働者党ブログ

2017年4月結成された『労働の解放をめざす労働者党』のブログです。

地方政治

兵庫県前知事の斎藤元彦を批判するーーおぞましい個人的権力欲

「斎藤元彦という人物」という表題で、兵庫で闘う仲間から、パワハラなどで失職した兵庫県前知事の斎藤元彦を批判する報告が送られてきました。知事選が1031日告示、1117日投開票に決まり、斎藤は再立候補の意向を見せています。前回立候補では、自民や維新が推薦して組織選挙を行いましたが、自民も維新もかばいきれずに離れています。果たしてどんな出直し選挙戦を戦うつもりでしょうか。個人的な権力欲を労働者は支持しません。兵庫から送られた斎藤批判の報告を紹介します。(担当)

 

斎藤元彦という人物

 

 9月30日付けで失職。出直し選挙に出るらしい。政治姿勢や政策やらで、議会と対立したのではなく、人間性や素質が問われての失職。知事として、この男は、パワハラやおねだりには余念がないが、労働者の利益になることは皆無に等しい。もちろん労働者の為なんて一度なりとも考えたことはないだろうが。

 

斎藤が知事に就任してから半年後、神戸新聞(2022年2月4日)は新県政の実態を探っている。其の見出し――斎藤流「本音見えない」、「身を切る改革」にじむ維新指向――。

 

齋藤はもっぱら維新的ポピュリズムに乗り、個人的権力基盤を確立、強化しようとしたようだ。知事公用車「センチュリー」を解約、知事の退職手当5割、給料と期末手当3割カットを断行、いわゆる維新流「身を切る改革」は周知の通り。しかし率先して改革をPRしながら、権力を嵩に、おねだりする今日の姿は何ともおぞましい。

 

「新県政推進室」の新設。井戸前知事に連なる人脈を排除し、限られた側近(11人)が密室で人事や施策を決めたようだ。(なお「・・推進室」現在は解散している)。

 

新聞は言う。「斎藤氏はメディアへの露出を増やし、情報発信を強化したが、慎重な物言いは官僚的で、踏み込んだ発言をさけている。 推進室のメンバーですら、戸惑いを口にする。「知事の真意や本音が伝わってこないという職員の声が日増しにおおきくなっている」。新聞のサブ見出し---少数で決定、慎重な物言い---

 

だが権力(権限)を我がものにする為に彼なりの苦労もしたようだ。一連の言動が本心からか、それとも演技によるものなのか知る由もないが。多分、両方だろうと思う。

 

総務省から出向した宮城県財務課長時代(16年前)、大阪府財務課長(20年頃)の彼を知る記者、ジャーナリストは述懐する。「腰が低くて、礼儀正しい。およそエリート官僚らしからぬフットワークの軽さと、人当たりの良さがあった」、「東北(宮城県)の出向時代も含め、在阪記者からも軒並み評判がいい。好人物だったが・・・」(神戸新聞2024年8月2日)。

 

目玉公約だった「ワーケーション知事室」も事実上休止。「県民に身近な知事になる」という思いから斎藤が県庁を離れて地方で仕事をするという取り組みだが、5回開いただけで23年6月以降は一度も開かれていない。

 

不信任以降 テレビ番組でやたらと実績アピールに忙しい。

 

県立大無償化(県民の授業料を段階的に無償化する事業―恩恵は県内高卒者の2%程度という)、行財政改革(県の貯金が100億円を超えたとアピール――実際は行革で捻出したのではなく企業業績が好調で県税収入が増えた影響という)、外郭団体の見直し(65歳以上の天下りを制限――OBを60人削減したが前知事派の排除で終わっているようだ)。

 

もちろん 労働者の生活の改善に役立つ実績はこれっぽっちもない。当然である。彼の立ち位置は根っからのブルジョアサイドであり、個人主義的であり、偽善的である。

 

兵庫県の労働者はこんな人物に一票たりとも投じてはいけない。 
 (兵庫より)

争点なき静岡県知事選の結果ーー地域財界の闘いに終始ーー

    争点なき静岡県知事選の結果

 

―与野党対決よりも地域財界の闘いに終始―

 

 川勝知事が急遽辞任し、短期で闘われた静岡県知事選は、元浜松市長(416)の鈴木康友が、元総務省官僚で副知事経験者(2)の大村慎一を77万票の差をつけて勝利した。鈴木康友の勝利は予想されたもので、争点なしの全くのつまらぬ選挙であった。投票率は、5247%で、前回3年前の知事選に比べ046ポイント下がり、鈴木が728,500(474)、大村が651,013(424)、共産党の森が107,979(70)、その他(3名合計)48,684(32)であった。

 

 大村(静岡市出身)は、川勝が辞任するとすぐに立候補を表明し、反川勝の過大なマスコミ世論を背景に、それに乗っかって川勝の「分断政治」(マスコミ用語、県議会やJR東海と対立したこと)を批判、中央政府との人脈を強調し、自民の支持を得た。但し、裏金問題で批判され、補選で全敗した自民との関係を薄めるため、大物閣僚級の応援を一切断り、ただ上川外相だけが(静岡出身故に)一度だけ応援に訪れるという方針をとった。

 

 一方、鈴木(浜松市出身)は満を持して――と言うのは、あと一年任期の残るはずであった川勝の後釜を虎視眈々と狙っていた――浜松市政16年の「実績」を強調して立候補した。立・憲と国・民が支持し、勝ち馬に乗っかって連合静岡も支持を表明した。松下政経塾出身の鈴木は、かって民主党の国会議員を勤めたことがあり、その因縁もあった。

 

 どこの骨とも判らぬ大村――かって静岡県副知事を2年務めたが、それは中央官僚の単なる天下りで、ただ副知事の椅子を暖めていたに過ぎない――より、鈴木は知名度が遙かに高い。例えば、彼をよく知るであろう50歳代以降の鈴木への投票率は高く――70歳代では鈴木が531%、大村が392%等――、大村は3040歳代で僅かに鈴木を上回ったに過ぎない。

 

 ところで、彼らの主張であるが、川勝県政の評価やリニア工事問題、浜岡原発の再稼働、浜松の野球場建設など、いずれも両者とも大差はない。大村が川勝を真っ向から批判したのに対し、鈴木はやんわりと、リニアは両者ともに早期の推進を主張しつつ、浜岡原発再稼働と同様に、地域の理解が大切などと、その本音を隠した。

 

 こうした似たり寄ったりの両者の主張に対し、共産党は急遽、新県委員長の森大介を候補に立て、反リニア、反再稼働の受け皿となることを主張した。しかし、その主張はそれらに反対する一部の県民に迎合する市民運動的なもので、リニアや原発をその根本に立ち帰って批判するものではなく(リニア問題については、プロメ61号を参照に)、ましてや大村や鈴木の立ち位置(背景にある地元財界との癒着)を徹底して暴露、批判し、労働者の立場を徹底するものでもなかった。よって当然ながら惨敗した。

 

 では大村と鈴木の違い(票差)はどこにあったのか。その一つは、川勝県政へ県民感情の読み違いにある。鈴木は、選挙途中で、岐阜でのリニアトンネル工事による地下水の水枯れ問題が報じられると、急遽、川勝を持ち上げリニア推進のトーンを落とした。実は、川勝県政への県民評価は23が肯定的であり――大いに評価145%、ある程度評価521(静岡新聞)――、川勝を批判すればするほどその候補者への県民感情は冷めていくこととなる。鈴木は途中でそれに少し気づいたが、大村はマスコミの反川勝に踊らされて読み違えた。

 

  第二の差は、鈴木が県西部(浜松市)で浜松市長として根を張ってきたのに対し、大村は県中部(静岡市)の新顔であった。77万票の差は、実は西部での得票数の差である。西部では、大村の得票率が285%であるのに対し、鈴木は62,9%と圧倒した。中部で大村が551%、鈴木が36,2%、東部では大村が535%、鈴木が392%と大村が健闘したのに、西部では圧倒されたこと(浜松市では大村が89万、鈴木が231万票)が大村の敗因である。

 

  マスコミや立憲はこの選挙を与野党対決と持ち上げ、自民候補の敗北と捉えているが、決してそうではない。たまたま立・憲や国・民が推した鈴木が勝ったに過ぎない。むしろ対決を挙げるならば、中部財界と西部財界の対決であった。静岡県は富士川を境に、東部(中心は沼津市・人口18)と中部(中心は静岡市・67万、政令都市)、大井川を境に西部(中心は浜松市・77万、政令都市)の三地方に分別できる。大村は中部財界(鈴与、静銀など)に推され、鈴木は西部財界(スズキ、ハマキョウレックス、ヤマハなど)が支援した。中でもスズキ自動車の元会長の鈴木修は、選挙のたびに暗躍し、川勝を知事に押し上げたのも彼であった(同じ名字だが、鈴木康友とは姻戚関係はない)

 

 この両政令都市は、選挙の裏で、資本同士の激しい闘いを繰り広げたのである。勿論、勝利の暁には自らの資本の発展を約してのことである。結果、浜松市は念願叶って、漸く地元出身の知事を得た。

 

 大村にしろ、鈴木にしろいずれも地元資本と癒着した存在である。鈴木が掲げた「オール静岡」「幸福度日本一の静岡県」とは、この資本主義という階級社会の中で、富む者(資本家)も搾取される者(労働者)も一緒くたにした反動的な労使融和、労使協調主義の政治であり、日本一はさておいて、県内資本のさらなる幸福(発展・繁栄)を目指すものとなるであろう。「税金の1円たりとも無駄にしない」(新知事会見)と言う鈴木は、まずもって――県民にとって屁の役にも立たず、必要度ゼロの――、西部財界の要請に応えて、浜松市内に370億円でドーム型の新野球場の建設に着手せねばならない。

 

 新知事誕生で、早速、JR東海は鈴木との面会を要求し、川勝では果たせなかったリニアの静岡区工事(南アルプス貫通トンネル工事)の着工を要求している。鈴木は早速「最後は政治的決断だ」(新知事会見)と述べ、にっちもさっちもいかない大井川の水資源と南アルプスの環境保護問題を切り上げて、「政治決着」を暗に匂わせている。いつ自民党に鞍替えしても可笑しくない、鞍替えしなくとも本質的に自民と同じ鈴木を推した立・憲や国・民が、「勝った、勝った」と騒いでいるのも滑稽だが、こんな知事を選択せねばならない県民もまた哀れである。「労働者党」静岡支部は、労働者の立場から、鈴木のこれからの県政を徹底して暴露していく。   ()

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