労働者党の闘いにシンパシーを寄せる労働者からの<投稿>を紹介します。(担当)
『致知』読者会を強制する企業や学校法人
――労働者や学生を国家主義に染め上げる策動に反対する
『致知(ちち)』という月刊誌がある。副題は「人間学を学ぶ月刊誌」。定期購読者は約11万人で、松岡修造や王貞治などの著名人も購読者だという。ただし書店では販売されておらず、出版社への直接申し込みによる定期購読のみのため、一般にはほとんど知られていない。
この『致知』を教材にした「木鶏会(もっけいかい)」と呼ばれる読書会がある。参加者は事前に誌面を読み、当日は少人数で感想を述べ合い、互いを褒め合う。否定や批判は禁止。現在、1300社以上の企業、約100校の中学・高校・大学の運動部で導入されているという。
私の勤務先でも木鶏会が行われている。形式上は自由参加だが、社長の発案で始まり、会社が全社員分を購読している以上、実質的には強制である。しかも就業時間中に実施されるので業務が中断するという点で非常に迷惑である。
だが、より問題なのはその内容だ。『致知』には、スポーツ選手や芸能人、作家、経営者、学者らの対談や自らの人生観、体験を語る記事が並ぶ。一見すると普通の人物誌、啓発誌のようだが、実際には右翼的・反動的・国家主義的な主張が色濃く貫かれている。
たとえば2026年2月号では、右翼政治学者中西輝政らによる対談「明治を創ったリーダーたち」が巻頭を飾る。明治天皇らを称揚しつつ、「GHQのとんでもない指令」「嘘八百の歴史観」「共産思想」によって「自国に誇りのかけらすら持てない現在の体たらく」(18頁)に陥ったと嘆き、現政権を「大きな希望」(19頁)として持ち上げている。
同号の連載「意見判断」では、右翼ジャーナリスト西村幸祐が寄稿し、米大統領選不正説やコロナの中国流出陰謀論を展開。さらにスパイ防止法や大軍拡を絶賛し、「高市早苗政権を国民が一致団結して支えることこそが、日本の明るい未来を拓く道」(122頁)と訴えている。
2026年3月号でも中西は高市の対中戦争発言を肯定し、改憲を主張する。更には「自由電子レーザー砲を配備した“強い日本”が世界を平和に導く」という荒唐無稽、自意識過剰な記事まで掲載されている。
資本家がこのような雑誌を推奨し、労働者や学生に強制的に読ませている事は示唆的だ。そこには日中帝国主義の対立激化を背景とした露骨な政治的・思想的誘導がある。『致知』は労働者と学生に右翼思想を刷り込み、戦争へと動員するための装置にほかならない。
すべての労働者と学生は、『致知』を用いた右翼思想プロパガンダに断固反対し、これを粉砕しなければならない!
それと同時に中国の労働者階級と連帯し、帝国主義戦争へ突き進む自国帝国主義――日本帝国主義はもちろんであるが、中国もまた帝国主義大国として登場し、ベトナムやフィリピンに囲まれた南沙諸島海域を自国の固有な領域・海域と呼び軍事力で分割支配している――を共に打倒し、それによって帝国主義戦争を阻止しなければならない。
帝国主義は資本主義が発展し独占資本段階に達し、国内の市場だけでなく海外の市場でも資本を投下し、海外の労働者からも労働を搾取する段階を指す。この段階になれば、海外の資本権益を軍事力で守ることが必然になる。例えば、1930年頃の日本資本主義は既に帝国主義段階に達し、露骨な軍事的進行と植民地支配を企てた。そして、それを貫徹するために天皇制を利用した軍国主義体制を築いた。
従って、戦前の日本は、アジアにおける欧米の帝国主義的支配に反対しながらも、日本がアジアの盟主となるために、中国や東南アジア諸国に軍事侵略し(植民地支配を形成)、様々な工業・商業・金融機関の資本を投下したことが知られている。
右翼政治学者の中西輝政らは、こうした戦前の天皇制軍国主義を美化し、高市にその再来を期待する。それは、日本資本主義が再び帝国主義に成り上がっていることを自ら白状するものだ。
帝国主義国家は、常に戦争を引き起こす(米国がその典型であり、現在のイラン攻撃のみならず、ベトナム戦争やイラク戦争やアフガン戦争など、多数行われた)。日中両国の帝国主義的対立が激化するなら、やはり、アジアの覇権を巡って戦争が勃発する。
従って、帝国主義戦争を真に阻止するためには、「反戦」を掲げるだけでなく、戦争の原因を作る資本主義世界の解放(=労働の解放)を目指して闘うことである。つまり、本質的には、プロレタリア社会主義革命の成功によって帝国主義を撲滅することができるのだ。共に闘おう! (労働者H)