マスク不足にかこつけたネット等での高価転売が、罰則付きで禁止されたというのに、国交省は禁止されたマスク転売を助長するような文書を所轄業界団体に送付した。一体この国の官僚たちは何を考えているのか。
文書送付先は、日本倉庫協会、日本冷蔵倉庫協会、全国通運連盟など多数に及び、愛知県の輸入業者が手に入れた大量のマスク1250万枚を1カートン(18箱900枚)を単位に購入を斡旋するという内容である。ちなみに、通常なら薬局で1箱50枚入り500円で買えるものを、1箱3000円で斡旋するというものだ。但し、千箱まとめて購入すれば1箱1800円にまけるという。これが転売の斡旋でなくてなんであろう。最近、中国や東南アジアの過剰なマスクが高価で取引きされ、世界の奪い合いとなっているが、日本の輸入業者が高利益を目的に買い占めたものを、国交省が転売と暴利を手助けするとはなんたる堕落であろうか。
労働者や市民、あるいは医療関係者が使い捨てマスクを捨てられず何日も使い続けているというのに、かたや国が高価なマスクを大量に資本へ斡旋するという恥知らずな行為をしているのである。おまけに、国交省は他の省庁の各所管団体にも情報を流すよう要求したという。まさに国家的犯罪であろう。
アベノマスク(顔を覆うには小さすぎる隙間だらけの布マスク)が不評で、その費用466億円は無駄遣いだと非難される中で、あくまで「適切な方策だと思う」(国会答弁)と居直る安倍に感化されたのか、この国の官僚たちはすっかり腐りきっている。さらに、当該大臣たる赤井は、安倍内閣の自粛要請中になんと地元の温泉地で選挙後援会を開いていたということも付け加えておこう。この危機意識のなさ、開いた口が塞がらないとはこういうことを言うのだろう。(是)