『まん延防止等重点措置』と「緊急事態宣言」は何ら役立たず!

-東京五輪を直ちに中止し、5、6、7月に徹底した感染防止策を施せ-

 

 大阪で感染者が連日1200人を超え、医療崩壊が始まっている。コロナ重症患者でベッドが埋まり(110%)、救急患者を受け入れる病院が見つからず一般患者が搬送中に亡くなったり、手術ができずに死亡したりするケースも出てきた。慌てた吉村府知事が三度目の「緊急事態宣言」を菅首相に要請した。東京の小池知事らもそれに続く予想だ。再び緊急事態を広く宣言すれば、東京五輪が危ぶまれると菅らは躊躇しているが、間もなく「宣言」が出されるだろう。

 

 大阪の急激な感染拡大には幾つかの理由が考えられる。一つはパフォーマンスが得意な吉村知事が前回の「宣言」の解除要請を見誤って、その先を考えずに早期に出し、人的交流を一気に拡大させたこと。

 

二つ目は、府民に高まっていた「自粛疲れ」「自粛マヒ」(それは当然のことだ)が、解除要請と同時に一時的に解放され、人々がどっと繁華街へ繰り出したこと。

 

三つ目は3月末から4月初めが年度の変わり目で、新入社員や新入生、転勤者や一般の会社員らが(オンラインの者も含めて)登校したり出勤せざるを得なかったこと。

 

四つ目はイギリス型の変異ウイルスが蔓延し、感染率を高めたり(旧来より35~75%増)、死亡率を高めたり(30%増)したこと、間もなく東京も蔓延するだろう。

 

そして最大の理由は、「まん防」や「宣言」を過大評価し、過度に期待した結果、何ら有効な手段では無かったということである。

 

 この二法を発令すれば感染防止の有効な手段たり得ると考える菅や吉村や小池らの浅はかさが見て取れる。「まん防」は各首長が特定地域を指定し、飲食店の時短(夜9時を8時まての営業に)やマスク会食等を要請でき、罰則に20万円以下の過料が課せられる。これらで感染防止が出来るとは誰しも考えないであろう。

 

実際、大阪では期間中に感染が増えているのである。感染防止は人的交流を抑え、接触密度を低めることが肝心なのだが、飲食店の営業時間を1時間縮めても、店内への出入りが頻繁で客同士の密度が高ければ何の効果も無いのである。かえって「路上飲み」という形で密度を高めた。

 

 では「宣言」の方はどうかと言えば、こちらは対象が都道府県内全域に及び、百貨店や映画館、テーマパーク、レジャー施設、学校など広範囲に休業要請ができ、スポーツ観戦やイベントなどの中止を要請できる。

 

これらを徹底してやれば多少なりの効果が出るが、これらの資本や業界と結びついている自民党政府や首長たちは強く要請されたり陳情されればその業種を免除したり、強制を弱めたりして、徹底させることができない。

 

過去二度の「宣言」が示しているように、宣言下は人々の「自粛協力」で一時的には感染数が減るが、解除されればまた増加するといことを繰り返している。徹底した営業停止や外出規制が出来ないからだ。

 

 ところで、ワクチン接種が最も進んでいると言われるイスラエルやイギリスはその接種率が人口の50%を超え(日本は1%以下)、感染者が急速に減少している。その理由として考えられるのが、ワクチン接種前の徹底した外出規制と店舗閉鎖(広義のロックダウン)だ。これとワクチン接種が組み合って相乗効果を生んでいる。ここにヒントがあるように思われる。

 

 何かと桎梏となっている東京五輪を直ちに中止し、「国民の命と生活を守る」()なら、5、6、7月の3ヶ月を徹底した感染対策にあてること、そして五輪にかかる追加費用3000億円余をコロナ対策費に追加流用すること、また晴海の選手村21棟、3900戸・18000ベッドを軽中等患者の隔離施設に転用すること、新国立競技場をはじめ、各地の空いている五輪予定会場に仮設の隔離施設を設けたり、ワクチン接種会場等にすること、五輪開催の宣伝や衆議院選のためのワクチンの「やってる感」を醸し出す接種(河野のわけのわからぬ説明や菅の9月までにはワクチン確保の発表、少数ワクチンの無計画な全国的ばら撒き)をやめ、広く公開された「真実」の計画にそって合理的に大胆にワクチン接種を推し進めるよう要求する。 ()