憲法に対する盲信

横井を担ぎ河村落選を目論んだ共産党の無節操な政治

 

名古屋市長選は全政党が相乗りで、「本籍地自民党、現在地ほぼ自民党の横井」を擁立するも河村に敗北!しかし市長選で横井に片思いし、報われぬ努力に散った共産党の政治から労働者はなにを学ばなければならないのでしょうか?

 

 中途半端な日和見主義の立場で、河村の愛国主義・国粋主義との闘いも放棄し、現在地ほぼ自民党=横井との闘いも取りやめ

 

 共産党は河村を落選させるために横井を支援する候補者として決定し、共産党支持者に横井への投票を呼びかけた。結果はこれまでの市長選がダブルスコアに近い票差がついていた事と比較すると「僅差」(大村知事)で横井は敗北し、河村が勝利した。

 

市長選の結果は、河村39万8656票(51・68%)横井35万0711票(45・47%)。河村の得票はこれまでと比較して過去最低であり、リコール問題や無責任なコロナ対策に対する反発が最低の得票率になったことは明らか。

 

ポピュリスト=河村が「市民連合」対「全政党」の対決に市長選の構図を単純化し、リコールの不正に対しては、自分も被害者、「全く知らなんだ」とリコール運動の相棒=高須に「頼まれて」お付き合いしただけと無責任な言い訳に終始し(高須は河村にはめられた、「高須マネー」にたかられないように「絶交」)、二人三脚で大村リコール運動の首謀者が逃げを打った。

 

 共産党は、河村落選を唯一の目的とし横井への支援を呼びかけ「『リコール不正で壊された民主主義を取り戻す』、『コロナ対策優先の市政を取り戻す』と訴える、よこい候補に共感が広がっています」(共産党愛知県委員会)と宣伝し、リコール運動と不正署名に対して、「表現の自由」に対する攻撃「民主主義を破壊する行為」と訴え、憲法で保証されている「民主主義的権利」を横井が守ると主張するから応援すると説明してきた。

 

しかし憲法擁護であれば、自衛官入隊時の服務宣誓にも「憲法の遵守」が謳われている。共産党が暴露すべきは、リコール運動に貫かれている政治的立場であり思想でなければならなかった。

 

我々はリコール派の立場が愛国主義・国粋主義的立場に貫かれたファシズム運動にほかならないと暴露した。ところが共産党は横井や大村の政治的立場と大差がない民主主義的立場に留まっているがゆえに、独自候補擁立が反河村票の分散・利敵行為につながると愚かに判断し、横井との闘いを放棄した。

 

 労働者党は名古屋市長選に参加しなかった。参加する組織的力量もカネも全てが不足していたからであるが、市長選に参加することで労働者の闘いを鼓舞し発展させることができたであろう。

 

労働者党の候補者は、河村のリコール運動は「愛国主義・国粋主義的立場に貫かれたファシズム運動にほかならない」と暴露し、コロナ禍に対する取り組みも科学的な知見と透明性に基づく政策を対置し、労働者党綱領に掲げる「★長時間労働、殺人労働、非人間的労働に象徴される搾取労働と、大量の非正規労働者の存在に代表される差別労働の即時、無条件の廃止と一掃。……★女性差別をはじめとする一切の差別の即時廃止。行政当局・・の女性差別への法的規制。女性の社会的生産活動への参加及びそれを保障する諸政策、諸措置の実行(例えば、女性の参加のために、工場・職場に密着して保育所を完備する等々)★憲法のブルジョア民主主義の歴史的な意義と限界の確認。自由主義派や共産党などのプチブル派による現行憲法の至上視や絶対視、観念インテリや、市民派、共産党らの“立憲主義”的妄想――憲法は『権力を縛るために存在する云々――の克服」という「基本的な立場」への支持を呼びかけ、「名古屋市長を愛国主義・国粋主義の旗手から国際主義・労働の解放の旗手に置き換えよう」と呼びかけただろう。

 

(愛知支部のビラより、一部修正)