党員のMさんからの投稿を紹介します。
世界は帝国主義的分割の時代に突入か
―台頭する中国と衰退するアメリカ
今、マスコミなどでほとんど言及されていませんが、ウクライナと中国との今後の関わり、また、この戦争を機にした世界の戦後体制の再編成、帝国主義的世界の再分割も考えていく必要があると思っています。
ウクライナは中国の巨大経済圏構想、一帯一路の拠点の一つであり、ウクライナの最大の貿易相手国は中国です。EUの加盟国27ヶ国うち(そのうちの15ヶ国がNATO加盟)18ヶ国が「一帯一路」の加盟国で、中国は中欧投資協定に全力を投入してきました。ロシアにとっても最大の貿易相手国は中国です。
「『一帯一路』を推進する習近平には中華帝国の影響力と版図を歴代のどの帝国よりも拡大する野望が見え隠れする。アラブ半島やアフリカ、ヨーロッパ諸国を属国化する勢いで経済圏を構成し、さらには太平洋にも軍事的影響力を及ぼし、台湾併合を自分の代で実行しようとその機会を窺っている。」(「世界」臨時増刊「ウクライナ侵略戦争)、15ページ)
「アメリカから制裁を受けている中東諸国では中国との石油取引に人民元を導入する方向で既に動いているが、ロシアとの石油や天然ガスの取引が非ドル化されることにより、石油取引のドル基軸からの離脱の素地を創り出す側面は否めない。おまけにロシアの貿易の40%ほどはEUが相手だったが、そこが封鎖されて主として中国に回って行けば、中国を中心としてアジア・ユーラシア大陸に非欧米型経済ブロックが形成されていく可能性を秘めていることになる」(「ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略」遠藤誉、11ページ)
「対露SWIET制裁は脱ドルとデジタル人民元を促進する」(同、65ページ)
こうした見解はともかく、中国は「一帯一路」構想のもとに世界でますますその存在感を増して台頭してきています。今は世界第二位の中国の経済力はアメリカに、いつ追いついても不思議ではない。ますます強大化、帝国主義化しつつある中国を軸にして世界の再編成がなされようとしています。中国の台頭、アメリカの衰退の中で、ロシアの利益をいかに守り拡大するかがプーチンの課題となっていました。
かって、レーニンが述べた「世界の再分割」、世界の帝国主義的支配の再分割・再編成、「現状変更」の時代への再突入したのではないでしょうか、ロシアによるウクライナ侵攻はこのことを教え、告げているのではないかと思います。(M)
南京大虐殺を否定する反動派の「歴史戦」を見よ
―ロシア侵攻の犠牲者を語る資格なし
自民党・産経新聞などはロシアの事実隠蔽をいうが、彼らは南京虐殺、従軍慰安婦などを「歴史戦」(2014年4月より産経新聞の特集として組まれた一連の記事。阿比留瑠比によって書籍化され同年10月に産経新聞出版から出版された)で「事実隠蔽」してきた。
この「歴史戦」について元労働者党代表の林さんが、「海つばめ」1243、1244号、2015年1月25日、2月8日号に「反動派の『歴史戦』とは何か」で書いています。
「彼等は南京大虐殺や性奴隷化問題で、まず数字を問題にするが、まず確認されるべきは数字である前にその事実である。」「植民地朝鮮の、物言わぬー言えなかったー若い女性の性奴隷化を前にして、数字の誇張など言うべきでない、あるいは事実を明確に認め、その犯罪性を明らかにすることが先で」ある。「“慰安婦”の人格を最初から全て卑しいものであるかに語ったり、証言はすべて口から出任せであるかに言いはやすことの方がよほど、人格が低劣で卑しいことではないのか」。
産経新聞などが散々語ってきた論理によれば、今のロシア侵攻による市民の犠牲者の報道はその犠牲者の数が、正しくなければ、もしその人数が多く発表、報道されたりすれば、南京虐殺と同じく幻で、この事実そのものも半ばなかったことになるのである。彼らの論理でいえば数が不確かであれば事実は事実でなくなる。(M)